セレナソフトウェアは6月3日、同社のビジネス戦略と日本における新製品の説明会を開催した。同社 ワールドワイドマーケティング担当シニアバイスプレジデントのRene Bonvanie氏は、「わが社では日本市場への投資を50%増やし、ソリューションセンターも開設した」と述べ、日本が同社にとって重要な市場であることを強調した。
今回セレナソフトウェアが日本市場に投入したのは、「Serena Business Mashup」という業務プロセスのマッシュアップツールだ。Serena Business Mashupを使えば、IT部門に負担をかけず、ビジネス部門の担当者が直接グラフィカルユーザーインターフェースでアプリケーションを作成、導入することができる。
Serena Business Mashupで作成できるのは、新入社員環境設定プロセスや、休暇申請プロセス、ハードウェア変更リクエストプロセス、経理生産プロセス、人事部門採用プロセス、出張申請認証プロセスなど。Bonvanie氏は、「ユーザーが使いたいアプリケーションは限りなくあるが、エンジニアが不足しており、開発できるアプリケーションはほんの一部しかない。ロングテールのほとんどのアプリケーションは開発されないままになっていて、現場の担当者はメールや表計算ツールなどでその場をしのいでいる」と、アプリケーションのロングテール問題を指摘する。「Serena Business Mashupは、簡単なアプリケーションであれば担当者レベルで作成できるため、こうしたロングテール問題を解決する」(Bonvanie氏)
Serena Business Mashupは、「Serena Mashup Composer」「Serena Mashup Server」「Serena Mashup Exchange」の3要素で構成されている。
Serena Mashup Composerは、無償で提供されるマッシュアップ作成ツールで、一般のビジネス担当者が業務プロセスを設計できるモデリングツールだ。Serena Mashup Serverは、Mashup Composerで設計したマッシュアップを実行するためのアプリケーションエンジンとなる。Serena Mashup Exchangeは、Business Mashupのためのオンラインマーケット。Mashup ComposerとMashup Serverはすでに日本語対応している。Mashup Exchangeは、今後日本語にも対応する予定だ。
業務プロセスツールといえば、SAPなどの大手ERPソフトウェアが提供するツールを利用している企業もあるが、Bonvanie氏は「SAPなどのツールは、全社が共通して同じ形式のものを利用しなくてはならないが、Serena Business Mashupでは部署ごとに細かな変更もできる」と、柔軟性の高さをアピールした。