SOHOでも必須のツール
実はSOHOで仕事をしている筆者でもそうだ。パワーユーザーみたいに毎日使っているというわけではないが、ネットとPC、そしてコミュニケーションツールである会議システムを使える環境があるからこそ、国内だけでなく、海外の企業ともビジネスができるようになっている。
筆者は、遠隔会議システム専門のマーケットリサーチとコンサルティングを生業としていることから、会議システムを使って国内だけでなく海外の企業に遠隔取材をしたり、あるいは仕事の打ち合わせを行ったりもする。取材や打ち合わせでは、都内の企業であるならまだしも、地方や海外の企業の場合、その都度出張しているわけにはいかないからだ。
仮にSOHOであっても、こういったツールを組み合わせて使うと、自分の業務の“プレイングフィールド”を国内だけでなく、海外までも広げることができる。実際にフェイス・トゥ・フェイスで会ったこともなく、ただウェブ会議システムで初顔合わせと打ち合わせをしただけで、仕事を頂くこともある。自席に座ったままで海外と商談を行えるというのは本当に凄いことだと思う。そのパワーが一人間の手の中にも持てるのだ。筆者のSOHOにとっては、ネットとPC、そして会議システムが、海外ともビジネスをすることを可能としたと言える。つまり、個人事業主でも、なくてはならないツールにできるのだから、企業であれば、それはなおさらのことではないだろうか。
人間のすべての活動と人同士とのインタラクションは、コミュニケーションなくしては起こりえない。ビジネスでもそれは然りだと思うし、コミュニケーションは規模の大小に関係がないと思う。そのコミュニケーションに重要な役割を持つ会議システム。その効果を出すのに難しく考える必要はない。難しく考えるから効果が出ないのだ。今この機会に考え直してみるのもよいだろう。
北米では4000億円以上の投資
ここ4〜5年の会議システム業界は、動きが多様で活発になってきている。特に世界最大の市場である北米では、会議システムに対して4000億円を超える投資が買収やベンチャー設立などを通して行われている。またユニファイドコミュニケーションの影響もあって、ニッチと言われてきた会議システム業界はにわかに衆目を集める状況になってきた。
そういった中で、とりわけ北米については、日々関連企業からのプレスリリースやコラム、セミナーや展示会などの情報が筆者のPC画面に波のように押し寄せる。ネットを検索するとユニファイドコミュニケーションや会議システムを語る人も多数いる。ある意味情報が氾濫している様相かもしれないが、しかし一方それが“磁場”をつくり、そこを通して人や投資、そして新しい技術、ビジネスモデルを生み出し、それらが新たな進化の土台のひとつになっていることを感じる。
会議システムがますます面白い業界になっていくことは間違いない。