IBMが中堅企業にラブコール、「敷居が高いイメージを払しょくしたい」

藤本京子(編集部)

2008-06-05 02:00

 日本IBMは6月4日、中堅市場向け施策についての説明会を開催した。同社は、グローバルで中堅市場に注力すべく、この市場を専門に担当する「ゼネラルビジネス事業部」を立ち上げたばかりだ。

Solazzo氏 IBM ゼネラルビジネス事業担当 ゼネラルマネージャーのSteven Solazzo氏

 IBM ゼネラルビジネス事業担当 ゼネラルマネージャーのSteven Solazzo氏は、同社が中堅企業にフォーカスする理由について、「中堅企業の数は100万社以上あり、市場規模も2530億ドルにのぼる」と、ビジネスチャンスが大きいことを説明する。その一方で、こうした企業はIT要員が少なく、システム統合の能力も限られているため、IBMが支援できる策は多いと見ているのだ。

 Solazzo氏は、IBMが中堅市場にアプローチする手法として、4つの戦略を語った。その4つとは、中堅市場に特化した製品やサービスを提供すること、マーケティング活動などを通じて新たな案件を発掘すること、顧客へのアプローチ方法を拡充し、よりよい顧客体験を提供すること、そしてパートナーに対する施策だ。

 製品については、中堅企業に特化したポートフォリオ「Express Advantage」を150種以上用意しており、2008年に入ってからもExpressシリーズとしてセキュリティ監視・運用サービスやサーバ群などを発表している。また、IBMのパートナーからは、「組み込み式Express Advantage」として1350種類のソリューションが提供されている。

 案件発掘のためには、2008年で1億5000万ドルのマーケティング投資を行う予定だ。その一環として、大阪や名古屋でExpress Advantageを認知してもらうための広告などを展開する。Solazzo氏は「IBMの製品は大企業向けと思われがちだが、中堅企業向けのソリューションも数多く用意していることを知ってもらいたい」と話す。

 顧客に向けた施策としては、見込み客が気軽に情報を得られるよう、コンシェルジュを設けた。コンシェルジュとのやりとりのうち、「12%は有効な見込み案件になった」とSolazzo氏。また、中堅市場への主要なルートとなるパートナーに対しては、見込み案件を発掘するための共同マーケティングプログラムなどを展開する。

 日本IBM 執行役員 ゼネラルビジネス事業担当の小原琢哉氏は、「中堅企業にとってIBMは敷居が高いというイメージがあった。この市場に注力することで、こうしたイメージを払しょくしたい」と述べた。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    「デジタル・フォレンジック」から始まるセキュリティ災禍論--活用したいIT業界の防災マニュアル

  2. 運用管理

    「無線LANがつながらない」という問い合わせにAIで対応、トラブル解決の切り札とは

  3. 運用管理

    Oracle DatabaseのAzure移行時におけるポイント、移行前に確認しておきたい障害対策

  4. 運用管理

    Google Chrome ブラウザ がセキュリティを強化、ゼロトラスト移行で高まるブラウザの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    技術進化でさらに発展するデータサイエンス/アナリティクス、最新の6大トレンドを解説

ZDNET Japan クイックポール

自社にとって最大のセキュリティ脅威は何ですか

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]