対処の5カ条
うつ病に気がつくことができたら、次は当然対処が必要です。どのような対処があるのでしょうか? 代表的な5つの項目を紹介します。
その1:十分な休養をとる
うつ病の時は元気な時と比較して、体や心のエネルギーが3分の1程度になると言われています。エネルギーを補給するため、十分な休養を取って下さい。
その2:自分を責めない
うつ病の症状が強いときは、「自分は駄目な人間だ」「うつになったのも自分のせいだ」といったように自分を責め、すべてに自信をなくしてしまうことがあります。しかし、自分を責めてしまうのはうつ病のせいなのです。治療と服薬を続けていればうつ病は治るので、自分を責めないで下さい。
その3:焦らない
うつ病の回復過程では、良くなったかと思うと再び悪くなるといったような「波」を繰り返します。その波を繰り返しながら徐々に良くなっていくのです。調子が悪くなった時に「治らないのでは!?」と焦ってしまい、さらに調子が悪くなることがあります。調子が悪いときは焦らずに、また調子が上向きになるまで待ってみましょう。
その4:「うつ病だから仕方ない」と思う
うつ病になると、これまでできたことができなくなったり、できたとしても非常に時間がかかったりします。このようなことが、職場でもプライベートでもさまざまな場面で生じます。しかし、これもすべてうつによるものです。自分を責めたり、何とかしようとジタバタ焦らず、「うつだから仕方ない」とあきらめて、どっしり構えてみて下さい。
その5:医療機関を受診する
うつ病が疑われたら、すぐに受診することをお勧めします。うつ病は受診が遅くなればなるほど、回復に時間がかかってしまいます。うつにもさまざまな種類があるので一概には言えませんが、この病気は治療法が確立されているため、治療で治る確率が高いのです。自己判断に陥ることなく、一度医療機関を受診してみましょう。
筆者紹介
谷崎 恵 (たにざき めぐみ)
金融機関で資産運用相談業務に従事した後、社会福祉系の大学に編入学。同大学では精神保健コースを専攻。精神病院や心療内科などでの実習を経験し、国家資格である精神保健福祉士・社会福祉士取得。現在は、ストレス診断をはじめとする人材活用ソリューションおよびコンサルティングを手がけるアファリスのコーディネーターとして、企業のメンタルヘルス制度導入のアドバイス・運用にかかわる。