それでもFoley氏は次のようにまとめる。「とはいえ、両陣営とも、良いことをした“nerd”としてGates氏を記憶するだろう。--最終的には、自分が稼いだ大金を使って、基金活動で善行をした人物、として」
Gates氏時代にMicrosoftが独占的地位に到達するのに用いた手段は、一部の人が問題としているほど有害なものではなかったと述べるのは、Forresterのアナリスト、George F Colony氏だ。
Colony氏は自身のブログで、Gates氏の振る舞いを「建設的な独占主義者」と形容している。さまざまな標準を作ることで、技術ユーザーにメリットを作り出したためだ。
Directions on MicrosoftのHurwitz氏のように、Colony氏もGates氏を有名人のThomas Edisonにたとえる。Hurwitz氏は、EdisonもGates氏も、技術を生み出し、「競合他社よりも多くのユーザーに受け入れられるよう努力した」という。
「Gates氏は技術イノベーターではなく、ビジネスイノベーターだ。将来のビジョンがあり、自分の技術を市場で独占的地位にするための競争力を持っていた」とColony氏は付け加える。
さらに、Colony氏は、Microsoftが納得がいく形でGoogleと戦うことができなかった理由--そしてSteve Jobs氏が見事なまでに復活できた理由--の1つとして、Gates氏がここ数年、自分が創業したMicrosoftよりも慈善活動に力を入れていたためと分析する。
Colony氏は、Gates氏の最も重要な功績について、「独占的なビジネス慣行を通じて、Microsoftの製品を世界中に広め、法人と個人の両方でデファクトスダンダードを確立してしまった能力」と見ている。
一方、Ovumのシニアアナリスト、David Mitchell氏は、Gates氏の偉業は、最先端の「Vista世代」以前に開発された技術に集中していると言う。
Mitchell氏は「IT業界に、ユーザービリティにこだわる世代を創出し、誰もが使えるコンピューティング環境を作り出した」と述べ、次のように付け加えた。
「Gates氏はコンピュータ界の民主化を主導した人の1人。技術に通じた人だけのものだったコンピュータを一般のビジネスや家庭にまで広げた功績は大きい」
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ