またもやMSがヤフーに買収オファー:その真意は何か?

文:Mary Jo Foley(Special to ZDNet.com) 翻訳校正:菊地千枝子

2008-07-15 05:57

 筆者は「MicroHoo」に関する投稿を最小限にとどめようとしている。駆け引きと現実を区別するのが難しいためだ。

 しかし、この週末の最新のやりとり――MicrosoftはまたもやYahooの検索ビジネスの買収をオファーしたが、YahooはMicrosoftがYahoo全部を取得するオファーをもって出直すように説得しようとしていた――について考え耽った後、この取引全体に対する最初の疑問が舞い戻ってきた。いったいなぜMicrosoftはYahooを欲しがるのか?(あるいは、現時点ではもっと正確にいうと、Yahooの検索ビジネスを、である。MicrosoftがYahoo全部を求めている時期は幸いにも過ぎ去ったようであるためだ。)

アップデート:やりとりといえば、Yahooと投資家のCarl Icahn氏との間で起こったことについてMicrosoftの見解はこうである。これは(予想通り)Yahooの見解とはだいぶ違う。言うまでもなくIcahnの見解ともだいぶ違う。

 最高経営責任者(CEO)のSteve Ballmer氏はMicrosoftのLive Searchへの取り組みがトントン拍子だと主張しているにもかかわらず、MicrosoftがYahooを欲しがる理由のひとつは明らかに、Microsoftがコンシューマー検索シェアを10%程度以上に伸ばすことができないためである。しかしそれ以外になぜMicrosoftはYahooを欲しがる、あるいは必要だと思っているのか?

 Ballmer氏とMicrosoftはもはや、Yahooのブレーンを求めているとは言っていない(それはよいことである。Yahooのトップタレントのますます多くが解雇されているか、逃げたか、逃げる準備をしているからだ)。Microsoftもまた、Yahooと勢力を組み合わせることで達成できるバックエンドインフラのシナジーについては触れていない。むしろBallmer氏が先週のWorldwide Partner Conferenceで率直に述べたとおり、結局のところ広告に関わる話なのだ。

 「顧客が増えれば増えるほど、実際のところ、良い広告主を得ることができる。良い広告主と人々は実際に検索の際にみられる広告が好きだ。広告が嫌われる場所は数多いのに、検索の場合は広告がその体験を実際に助けている。だからわれわれのボリュームとYahooのボリュームを組み合わせれば、それは良いことに違いない、という発想なのである。」

 読者はどう考えるか?Microsoftは本当にYahooの検索ビジネスを取得したいのだろうか?それともMicrosoftが繰り返すオファーは、単に報復をねらったMicrosoft風の強硬姿勢で、最終的にはYang氏がいないYahooを激安価格で買い上げようという魂胆があるのか?

この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    「デジタル・フォレンジック」から始まるセキュリティ災禍論--活用したいIT業界の防災マニュアル

  2. 運用管理

    「無線LANがつながらない」という問い合わせにAIで対応、トラブル解決の切り札とは

  3. 運用管理

    Oracle DatabaseのAzure移行時におけるポイント、移行前に確認しておきたい障害対策

  4. 運用管理

    Google Chrome ブラウザ がセキュリティを強化、ゼロトラスト移行で高まるブラウザの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    技術進化でさらに発展するデータサイエンス/アナリティクス、最新の6大トレンドを解説

ZDNET Japan クイックポール

自社にとって最大のセキュリティ脅威は何ですか

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]