No.7: ありがちな問題は今すぐ直そう
ウェブ解析ツールや専門家のレビュー、ユーザーテストなどがさまざまな問題を見つけ出すことはもちろんだが、実は多くのサイト運営者がより基本的な問題を見逃しているとBodine氏は指摘する。それは、例えばプライバシーポリシーへのリンクをわかりやすい場所に設置するといったことや、サイトの文字を小さくしすぎないこと、エラーの際にはエラーメッセージでユーザーに何が起こったのかわかりやすく説明することなどだ。
プライバシーポリシーをわかりやすくリンクすることは、基本中の基本にも思えるが、Forresterが2005年以降に調査したサイトの83%はそれがうまくできていなかったという。
No.6: シナリオデザインやペルソナを利用しよう
Bodine氏は、米国ではすでに確立された手法となった「シナリオデザイン」や「ペルソナ」を活用することを勧めている。シナリオデザインは、ウェブ上でユーザーが行動するであろうシナリオを描くことで、ペルソナはターゲットとなるユーザーを具体的な人物として作り上げたモデルのことだ。シナリオデザインであれペルソナであれ、ユーザーを理解した上で作り出すため、ユーザーエクスペリエンスを向上するには有効な手法だ。
No.5: 他業界のサイトからイノベーションを探しだそう
多くの企業は、競合他社の動きに敏感だ。競合サイトが新機能を追加すると、自社サイトにも同様の機能を追加しようとする。しかしBodine氏は、「競合サイトの新機能が必ずしも必要な機能でない場合もある」と指摘する。こうして競合ばかり気にしていると、「競合サイト同士で同じようなサイトができあがってしまう」とBodine氏は警告し、過去に米AOLがリニューアルした際、米Yahoo!と全く同じようなサイトになってしまった例を挙げた。
「ユーザーは同じ業界内だけを見ているわけではない。今はECサイトを見ていても、女性向けサイトを見ることもあれば銀行のサイトを見ることもある。金融業界のサイトで実装されている機能をECサイトでも実装してほしいと思っているかもしれないのだ」とBodine氏は述べ、他業界を研究することの重要さを主張した。
No.4: イノベーションと便利さが連動しているか確認しよう
ウェブの世界では次々とイノベーションが生まれ、企業はこぞって新技術を自社サイトにも取り入れようとしがちだ。だが、新たな技術に飛びつくあまり、使いやすさを見過ごしてはいないだろうか。Bodine氏は、「Rich Internet Applicationなどの新技術は、確かにデザイン性に優れており、インターフェースの自由も利く。しかしそればかりに気を取られ、使いにくいサイトができてしまっては意味がない」と警告する。Bodine氏は新技術を使うなと言っているわけではない。「専門家のレビューなどで使いやすさを見極めた上で、採用するかどうかを考えるべきだ」としている。