「Fiji」:Windowsアップグレードに対するMSの矛盾したメッセージ?

文:Mary Jo Foley(Special to ZDNet.com) 翻訳校正:菊地千枝子 2008年08月07日 06時44分

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 Microsoftの「Fiji」が7月半ばに製造工程向けリリース(RTM)されたという短いニュースが一時的に伝えられた後、またもや沈黙が訪れた。しかしこの静けさは、万事がうまくいっていると解釈されるべきではない。

 実際のところ、筆者が話をした匿名希望のFijiテスターの何人かは、「Windows Media Center TV Pack」(Fiji)のテストプロセスが実施される方法やその結果できた製品について満足していなかった。

 実際にあるテスターは、ユーザーがWindows 7を待つべきか、あるいは今すぐにFijiと組み合わせたWindows Vistaにアップグレードすべきかについて、MicrosoftはFijiで矛盾したメッセージを送り出すことにより、有害無益なことをしようとしているという説得力のある議論を示している。

 Microsoft幹部はユーザーに対し、Windows 7を待たずに、今すぐ恐れずに立ち向かうことで、Windows 7が2009年終わり頃に登場するときに、そうする必要がないようにすることを推奨している。Microsoftの主張はこうだ:VistaとWindows 7の間には深いレベルでの変更はないために、今Vistaにアップグレードするユーザーは、Windows 7にアップグレードするときに、Vistaのアップグレードを先送りしているユーザーほど多くのドライバやアプリケーションの互換性問題に遭遇しないだろう、というものだ。

 (余談だが、筆者は単にMicrosoftの主張を伝えているだけだ。メッセンジャーを攻撃しないように!)

 テスターたち(それと彼らと話すのが大好きな私たち)が2年以上前に最初にFijiについて示唆し始めたときには、FijiはMedia Centerの重大なアップデートとなろうとしていた。テストビルドがついに開始されたときには、Microsoftはアップデートの仕事を終わらせるために、DirecTVやH.264動画圧縮サポートなどの、約束され、予期された機能をいくつか省略したことが明らかになった。

 本稿の最初に触れたテスターは、Microsoftは「Windows 7 Media Center」製品がもっと説得力のあるアップグレードとなるように、これらの大きな機能を先送りにすることを決定したと述べていた。

 「Windows 7 Media Centerに『やむを得ない理由』ができるように、すべての『クールな』Fijiの機能が基本的に取り消された」と同テスターは述べている。「Windows 7:最善のシナリオで2009年末にリリースされたとしよう。それはすでに1年経ったハードウェアをDirecTVが利用できるようになるまでに今後1年半かかるということを意味する。」

 それ以外にFijiのテスターが憤慨していることは何だろうか?

 Microsoftが本リリースでDirecTVのサポートを提供しないとの判断を下したことは、筆者が話をしたテスターたちの間では最も問題視されたようだ。しかし同社がFijiをOEM製品としてリリースする決定を下したこともまた、同様に不人気な判断とされた。

 Microsoftは確かにテスターにFijiの最終的なRTMビルドを提供したが、それはOEMが製品を提供し始める頃には失効する時限爆弾付きのものであった。

アップデート:あるテスターによるとFijiチームは多くの「ユーザーからのフィードバック」(換言すると「苦情」)をうけて、結局のところ、時限爆弾がついていない最終ビルドバージョンをテスターに提供することを決定したという。

 筆者が話をした人々によると、MicrosoftがFijiをOEMオンリーのリリースとすることを決定した際には、この決定は多くのテスターの間で途方もなく不人気であったという。MicrosoftがFijiの最終ビルドを与えないなら反乱するとテスターに脅かされてはじめて、Fijiチームは屈服し、そのようにすることに同意したという。

 あるテスターは、RTMビルドが「Release Candidate(RC)0」のときのようにバグが出ないかを確かめるほかは、同ビルドをインストールする計画はないと筆者に述べていた。同製品に胸を躍らせていても良さそうな人から、紛れもない推薦の言葉とは言い難いものである…。

 こうした不穏な動きがあるにもかかわらず、現時点でなぜもっとFijiに関する公の情報がないのか?MicrosoftはFijiのテスターとの間で取り交わされた非開示協定の一環として、同製品が9月3日にローンチされるまでは、テスターたちが公に話すことを禁じているのだ。以下は内部のFijiテスターフォーラムのメモから引用したものである(あるテスターから伝えられた):

 「以下は皆さまへの情報をいくつかと、公の議論に関するガイドラインです:

1.本リリースについてわれわれがCEDIAカンファレンスで公に話す9月3日まで、NDAが引き続き有効であることに注意してください。

2.注意:NDAにより、同製品に関する議論は、Microsoftの公式声明への応答という限りで行うことができます。すなわち、ベータバージョンまたはそのベータプログラムで得たいかなる体験についても自由に話すことはできないということです。」

 Fijiをテストしたか否かにかかわらず、読者はどう思うか?Microsoftは、最も楽しみにされていたMedia Centerの機能を提供するWindows 7のリリースを待たせることにより、「Vistaに今すぐアップグレードしよう!」という同社のメッセージを、濁らせているのだろうか?

この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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