IT管理で悩まないために:System Center - (page 3)

渡邉利和

2008-08-27 15:29

 システムの動作時に収集されるログなどは稼働状況を示す情報の宝庫であり、熟練した管理者がログを見ればシステムの稼働状況が手に取るように分かる、というのは確かにその通りだ。しかし、システムの構成が複雑化/大規模化している現在、稼働している膨大な種類のソフトウェアやコンポーネントの全てに精通し、ログを解析できる知識と技量を備えた管理者を見つけるのはほとんど不可能に近いだろう。

 管理パックには運用管理に必要な高度な知識やノウハウが組み込まれており、膨大なログの情報を整理してフィルタリングすることで必要な情報だけを的確に運用管理者に伝えることが可能になっている。

ノウハウをパッケージングした「管理パック」 ノウハウをパッケージングした「管理パック」

 また、こうした取り組みはSystem Centerだけではなく、Forefrontでも実現されている。

 外部からの攻撃など、セキュリティ・インシデントの兆候がまずログに表われる、という例は珍しくないが、さまざまなセキュリティソフトウェアがそれぞれ個別に警告を上げても、運用管理者が対応しきれないという問題がある。一目見て深刻な問題だと理解できる場合はまだしも、一見些細に見えるログデータが実は深刻なトラブルの前兆だった、ということもある。

 Forefrontは保護する対象に応じて複数製品に分かれており、必要な部分に対する保護だけを導入できるようになっているが、情報の管理や問題発生時の対応は可能な限り一元化できるように配慮されており、多数の製品を導入した分、運用管理の負担も増大する、という問題を避けられるように配慮されている。こうした配慮自体が実運用での経験を踏まえたノウハウの一部であるとも言えるだろう。

運用管理コストの増大に悩む企業のために

 先日正式公開が開始されたHyper-Vなど、Windows Serverでも本格的な仮想化の普及が始まっており、運用管理担当者が考慮すべき事柄は増える一方だ。

 しかし、OSやサーバソフトウェアは企業のITシステムのインフラを構成する部分でもあり、安全で確実な運用を実現することは必須である。運用管理とセキュリティを切り離してしまうのではなく、どちらも重要な両輪として位置づけているSystem CenterとForefrontについて、次回はForefrontの次期バージョン「Stirling」(開発コード名)について詳しく述べてみたい。

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