健康食品と薬事法--広告業界に求められる人材

Webマーケティングガイド 2008年09月10日 08時00分

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 薬事法違反による取り締まり件数が増えている昨今、広告業界には一体何が求められているのだろうか。メーカー、そして広告に関わる者であれば、少なくともそれを理解していなくてはいけないであろう。

 そもそも薬事法とは、「医薬品」「医薬部外品」「化粧品」「医療機器」の4つについて規定している法律なのだが、この中で健康食品に関する規定は定められていない。しかし、実際に薬事法で取り締まられている事例をみると、健康食品(サプリメント)を扱うメーカーが多いのが現状だ。

 では、なぜ健康食品メーカーは薬事法違反の対象になりやすいのだろうか。

 最も大きな要因のひとつに、健康食品(サプリメント)は医薬品と誤認されやすいことが挙げられる。「医薬品と誤認される」とはどのような場合を言うのか。健康食品を製造・販売する企業や、その広告に関わる人間ならば、ここをしっかりおさえておく必要がある。「医薬品」か、そうでないかの判断をする要因として、以下の4つがある。

1.成分

 効果が強いものや激しいもの、体に変化を与えるもののサプリメントへの使用は認められていない。サプリメントとして用いて良い成分とそうでない成分は、それぞれ決められている。

2.剤形

 どのような形状であっても良いわけではない。アンプルや、舌下錠などの医薬品的な形状をしていると、医薬品とみなされてしまう。

3.用法用量

 健康食品には、医薬品のような飲み方を指定する用量用法の表記は認められていない。例えば下記のような表記をすると医薬品とみなされる。
・飲む時の指定→食前に、就寝前に
・飲む量の指定→1日に4錠
・飲み方の指定→舌下で溶かしてお飲み下さい
・飲む対象の指定→更年期の女性に

 サプリメントなどに記載する場合、このようにはっきりと用法用量を指定せずに、「1日3〜5本を目安に」など曖昧な言葉に置き換えれば、薬事法には抵触しない場合が多い。

4.効能効果

 健康食品は効能効果をうたうことはできない。医薬品は体に変化を与えることを目的として作られているので、健康食品が効能効果をうたうと医薬品とみなされ、薬事法違反となる。

 健康食品を扱う会社にとっては、効果効能を全くいえないとなると商品をアピールする際に非常に苦戦を強いられる。そこで薬事法違反を避け、別の言葉による言い回しで、より効能効果に近い表現をする工夫(リライト)が必要となってくる。しかしリライトは簡単な作業ではない。薬事法に抵触しないことを前提とし、その上でより魅力的な文章に書き直すことが求められるのである。

リライトの一例:「更年期の女性におすすめサプリ」はNGだが、「更年の女性に重宝されています」などにすればOKとなる。

 ※媒体によっては独自の入稿規定を持っている場合があるため、必ずしも「薬事法のクリア=掲載が可能」というわけではない。

 「薬事法管理者」の資格認定を行っているLLP薬事法有識者会議の調査によれば、89.6%の方が「薬事法に関する資格が業界には必要である」と回答し、また82.5%は「業界の人にも薦めいたいと思う」と回答をしたという。(出典:「第2回 モニター試験受験者アンケート結果_LLP薬事法有識者会議」

 この調査結果からも、「薬事法の知識を持つ人材」が多くの企業で必要とされていることが伺える。しかし、ただ単に資格を持った人材がいれば良いのではなく、薬事法を理解した上でリライトが出来るライターのような、二束のわらじを履いた人材が求められているのではないだろうか。

 次回は薬事法規制の厳しい健康食品にかわって、多くの企業が化粧品業界へと進出している現状についてお話したいと思う。

 佐藤奈津美(セプテーニ)

(参考資料:薬事法管理者認定試験受験対策講座

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