IBMが22ナノメートルチップの開発を推進

文:Brooke Crothers(Special to CNET News.com) 翻訳校正:矢倉美登里、長谷睦 2008年09月18日 13時04分

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 IBMがコンピュータの演算分野で持つノウハウを活かして、次世代を担う22ナノメートルチップ技術の開発に取り組もうとしている。

 一般にチップは製造プロセスが微細化されるほど高速になり、電力効率も向上する。IntelとAdvanced Micro Devices(AMD)の2社は、プロセッサ製品ラインを65ナノメートル技術から45ナノメートル技術に移行中だ(AMDは、2008年の第4四半期に移行を開始する予定)。

 45ナノメートルの次の目標は32ナノメートルで、製造プロセスをここまで微細化するのはそれほど困難ではない。だが、22ナノメートルとなると話は違ってくる。

 ごく簡単に説明すると、従来の半導体チップ製造に使われているフォトリソグラフィ技術では、マスクを用いて光の当たる部分を制御し、「フォトレジスト」と呼ばれる感光性物質の表面を露光する。この過程によって回路が「印刷」される仕組みだ。だが、この工程は22ナノメートルで壁に直面する。「光の波長が印刷しようとしている物質と同程度の大きさになると、うまく行かなくなる」とIBMの有名エンジニア、Subu Iyer氏は説明する。難関は、193ナノメートルの光波長を使用して22ナノメートルプロセスを実現する点にある。

 「物理学的に、(22ナノメートル)は正攻法ではいささか無理な注文だ」とIyer氏は言う。同氏の説明によれば、IBMでは新たな集約演算法を用いて設計者が配置を決めた回路をマスク上のパターンに変換することで、193ナノメートルの光で22ナノメートルの回路を印刷可能にしたという。

 「設計データを解釈して、適切な光波長の光源に反応するマスクに転写する際には、途方もない量の演算が必要だ。われわれIBMでは非常に高速なコンピュータを作っている。だから、こうした超高性能のコンピュータを利用して、多くの演算を必要とする作業を行っているというわけだ」(Iyer氏)

 このプロジェクトには、Mentor Graphicsや凸版印刷など、IBMのパートナー企業数社が協力する予定だ。

 また、このプロジェクトは、拡張性を備え、エネルギー効率をさらに向上させたWebサービスを提供するIBMのクラウドコンピュータ戦略ともつながっている。IBMによると、クラウドコンピューティングを通じて顧客は「非常に柔軟でオープンな環境で」こうしたサービスにアクセスできるという。

 IBMは、22ナノメートルへの挑戦を以下のようにまとめている。「30年近くにわたり(中略)光学技術はレンズの開口数(フォトリソグラフィに使われるレンズの分解能を左右する数値)を向上させ、露光波長を短くすることによって発展を遂げてきた。だが、経済的および技術的な問題により、極紫外線(EUV)やナノインプリント技術、多層カラム電子ビームなどの次世代リソグラフィ技術が利用可能になるまで、従来のペースでの発展は望めないだろう」

この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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