1:景気の後退と人件費の高騰
金融不安で、これまでも問題であったことがより鮮明になった――現金をはやく調達しなければ、会社の存続が危うくなっている。
投資銀行としてかつてほどレバレッジを使った資金調達が難しくなってきている。こうした状況で競合優位性を保つには、より早くより安くものごとを進めなければならない。このためにこれにはプロセスの最適化とITの活用が必須となる(同イベントでInnovation Awardを受賞したMorgan StanleyのExecutive Director Jim Kern氏)。Morgan Stanleyのような金融機関はもちろん、ほかの業界でも同様だろう。
3年でなく3ヶ月での結果がITに求めらる。結果、大規模な戦略レベルのプロジェクトのキャンセルがあちこちで起こっており、小さな戦術レベルのシステムがたくさんできる。まさにサイロだ。これを戦略レベルで結びつける必要が生まれたとき、SOAが必要になる(Software AGでETS&webMethodsのCOOを務めるDavid Broadbent氏)。
さらに、アジアに堅調だが人件費が高騰している。人間中心のプロセスが多い日本では、この高騰は大きな問題だ。多くのマネジメントがハンコを押していくような稟議システムは行き詰まってしまうだろう。
「Software AGのソリューションは一気にすべてを変えることを強要しない。人によるプロセスも残しながらプロセスを徐々に最適化できる。日本においても業界知識を持ったコンサルタントのハイアリンングも進める」(同じくDavid Broadbent氏)。