英語で議事録、どうすればいいの?--エリック松永の英語道場(13) - (page 2)

エリック松永

2008-11-25 08:00

1. Time & Date, Venue: 時間と場所

 会議の開催された場所や時間は、犯罪のアリバイと同様に重要な情報です。例えば時間(Time & Date)は、ある人がどの時点で発言したかを特定できます。ある人が自分の意図と全然違った発言をしていても、それが自分とミーティングをした後か前かでニュアンスは大きく変わってきますよね。また、開催場所(Venue)は、議題に対する上下関係や真剣度合いを読みとることができるので、これも重要な情報です。

2. Participants: 誰がその場にいたのか

 ある議題に対して合意があった場合、誰が同席していたかは非常に重要となります。同席している以上、後で「聞いていなかった」と言っても許されません。ここに名前を挙げられる怖さがわかれば、居眠りなんてできなくなりますね。

3. Objective: 目的は簡略に

 目的のない会議はするべきではありません。あるテーマについての合意が目的であれば、無駄な議論で話を錯乱させる人は当事者意識が低すぎると言わざるをえません。これはMinutesだけではなく、会議の冒頭にきちんと確認すべき項目でもあります。

4. Agenda: 会議の流れ

 どのような流れで会議を進めたのかは、事前に通知されたAgendaをそのまま転記するのがいいでしょう。まさか、Agendaなしで会議を開いていませんよね?

5. Discussion Topics and Conclusions: 議論の内容と結論

 会議で議論した項目と結論は、まず最初に個条書きにしましょう。長い説明はいりません。とにかく簡潔に。忙しい人ならここだけチェックすれば会議の成果がわかるような内容にすべきです。

6.Issue & Action: 課題と今後の対応

 どんな会議でも、今後の課題が出ない会議はまずありません。問題点や課題、時にはリスクも表面化することがあります。会議で重要なのは、その課題(Issue)に対して次に何をするか(Action)決定することです。Actionは簡潔に、誰が(Who)何を(What)いつまでに(When)するのかがわかればいいでしょう。

 ここまでが、私の経験上必要最低限のMinutes項目です。ただし、時には各自の発言のバックグラウンドをもっと詳細に伝える必要がある場合もあります。例えば、「自分はそんな発言はしていない」と言われる恐れがある場合です。そういう時には、「Details of discussion」という項目を設けて、会議全体をICレコーダーに収め、一字一句誰の発言か明記したメモを添付するケースまであります。実際に私も今年は約5回、徹夜でレコーダーからメモを書き出す作業をした苦い思い出があります。

Minutesは生もの

 なぜ徹夜してまで? と思う人もいるかもしれません。それは、Minutesは生ものだからです。つまり時間がたってから提出しても意味がないということ。私が外資系企業のコンサルタントになって最初に身体にたたき込まれたのは、「Minutesは会議開催の翌朝までに作成する」ということでした。これって常識だと思っていたのですが、日本ではそうでもないようです。

 一般的に日本では議事録にあまり力を入れない風習のようで、若手のやらされ仕事になっているようにも思えます。しかし、そんなことはグローバルビジネスでは絶対に通用しません。今のうちに自分でメモを取る練習をしてみてください。

 参加した会議と、その会議での発言には責任を持つ。そうした姿勢の現れがMinutesになっていると思いませんか? さあ、今から会議中はしっかりメモを取りましょう。居眠りしていると…… 刺されますよ。

Peace out,
Eric

※ 著者・エリック松永に、英語関連の質問がある人や、英語談義をしたい人はいませんか? エリックへのメールは、tips@japan.cnet.com にて受け付けています。面白い質問や話題には、エリックが直接あなたの元を訪問して対応するかもしれません。

Eric
筆者紹介

エリック松永(Eric Matsunaga)
Berklee College of Music、青山学院大学大学院国際政治経済学研究科(修士)卒業。19世紀の米国二大発明家Graham Bellを起源に持つ米国最大の通信会社AT&Tにて、先進的なネットワークコンサルティングの領域を開拓。その後アクセンチュアにて、通信分野を柱に、エンターテインメントと通信を活用した新事業のコンサルティングをグローバルレベルで展開する。現在、通信業界を対象にした経営コンサルタントとして活躍中。

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