7.サプライチェーンをウェブ上のパートナーに開放する。SOAとエンタープライズアーキテクチャに対する既存投資を基盤にすることで、あなたの会社のSOAを取引上のパートナーに開放できるようになる。これは、最高情報責任者(CIO)たちが行いたいと数年間にわたって主張してきていることである。しかし、オープンAPIとWebサービスを用いることで、今でもこういったことを費用対効果の高いやり方で実現し、成長著しい主要な業務分野の1つにすることができるのだ。最近もこういった重要なエンタープライズWeb 2.0の話題について考察した(英文記事)ため、ここで詳細に踏み込むようなことはしないが、この不況の中で2桁台の成長を記録したいと考えているのであれば、あなたの業務をネットワーク上の戦略的なオープンプラットフォームに変える他に、いくつかのパワフルな2.0のテクニックを使用することができるだろう。オープンAPIはちょっとした規模の投資と企業レベルの真剣な取り組みを必要とするものの、新たなビジネスをもたらすチャネルとして検討すべき確固たる一連の証拠が存在しているのだ。
8.紙媒体と電子媒体によるワークフローを見直して改革する。ただのリップサービスに終わらず、エコなビジネスに向けて、コストを削減し、ビジネスのアジリティを向上させるには、ものごとを行うやり方というものを変革することが必要不可欠となっている。例えば、米国政府は昔から把握していることだが、紙媒体と電子媒体による貧弱なワークフローによって、他のアクティビティとは比べものにならないほどの人件費やインフラ、エネルギーが無駄に使用されているのである。米国エネルギー省は2006年のレポートにおいて、米国内の製紙産業だけで750億キロワット時のエネルギーが使用されており、それとは別に米国内のデータセンターとサーバで610億キロワット時の電力が使用されていると報告している。公的機関や私企業の支出(労働力を除く)のうち、紙媒体と電子媒体によるワークフローの運用経費が最高35%にもなっているということはさておき、エネルギーの面に目を向ければ莫大な量が費やされているのだ。このことはつまり、今日の紙媒体のワークフローと電子媒体のワークフローのいずれも効率を改善する必要があるということを意味している。ここでも、改善に向けた推進力がなければ、効率の向上はあり得ない。しかし現在の経済環境によって、われわれはこういったリファクタリングアクティビティに向かわざるを得なくなっているのだ。
私がリファクタリングという言葉を用いたのは、莫大な予算や大がかりなビジネスプロセスリエンジニアリング(BPR)がないためである。リファクタリングは「その場を離れることなく再設計する」手段であり、ユーザー主導によって既存のワークフローをより迅速に「軌道修正」するということを表現する完璧な言葉なのだ。上述したエンタープライズマッシュアップツールは、こういった難関に取り組むことのできるWeb 2.0プラットフォームの好例であり、エンタープライズ2.0というツールも迅速かつ柔軟なものであり、職場のプロセスや構造の変更に対して動的に適応することができる。ソーシャルネットワークとそのアクティビティの流れも、突発的なワークフローの作成手段を提供し始めているものの、今すぐこういった機会を捉えることができるものはマッシュアップやエンタープライズ2.0を置いて他にはない状態である。
現代のテクノロジ環境は広大であり、テクノロジの変化は加速する一方である。このため、未だに新しいものごとをトップダウン形式で導入していこうとする傾向のある企業は、21世紀に大きな苦難に直面することになるだろう。われわれは今、新たな時代の幕開けに伴う難関に直面しているものの、以前は想像することもできなかったツールを手にしているという点でとても幸運に恵まれていると言える。Web 2.0というモデルは、われわれが私企業や政府、公的機関で行っていることを再グループ化したり、再組織化したり、システム的に改善するうえで、現在手にすることのできる最も強力な方法の1つをわれわれに提供してくれているのだ。良きにつけ、悪しきにつけ、企業にとって今は非常に面白い時代だと言えるだろう。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ