とりあえず晩飯はできたけど……
ごはん、煮物、味噌汁の順番に調理した結果、洗米を開始してから完成するまでのトータルの調理時間は「1時間30分(90分)」だった。ごはんを蒸らしている間に、次の煮物に着手することで10分短縮できたが、結果的に、この晩飯は失敗作だった。分かりやすく言えば「マズかった」のである。なぜなら、他のおかずが完成するまでに、ごはんがすっかり冷めてしまったからだ。
考えてみれば、米を水に浸しておく30分間はコンロが空いていたのだから、その間に何か1品が作れたはず。さらに重要なポイントとしては、「炊いたごはんを温め直すことはできない」という点を見落としていたことだ。冷えたごはんをコンロで再加熱すると焦げてしまうが、味噌汁や煮物なら再加熱できる。
こうした点を考慮して、やり方を変えればもっと美味しい晩飯を作れそうだ……。
……さて、ここまで読んだアナタが当然抱くだろう疑問としては「何で、たかがおかず2品の晩飯作るのに、いちいち図を描かねばならんのだ?」というところだろう。ごもっとも。だが、ちょっと待ってほしい。我々には「コンロ1台、鍋3つ、炊飯器なし」という厳しい条件の中で、休日の夜に美味しい晩飯を食うというミッションがあるのだ。
この状況で、晩飯を作る工程を図にして考えてみることには、いくつかのメリットがある。まず1点目は、工程に含まれているムリやムダを客観的に吟味できること。今日の晩飯は結果的に不味かった(ご飯がカチカチだった)わけだが、工程のどの部分を変えれば、ご飯もおかずも暖かい状態で食えるようになるのかを考えて、後日試せるわけだ。さらに、最終的に美味しい晩飯が最も効率よく作れる工程が分かれば、図を見ながら、それを何度でも繰り返せるようになる。もう1点。もし、私と同じように「コンロ1台、鍋3つ、炊飯器なし」の悲しい境遇にある友人にベストな工程の図を渡せば、彼はそれを見ながら、一発で効率よく美味い晩飯を作れるのである。
これを踏まえて、次回は、晩飯づくりをプロセス志向で改善し、もっとマシな晩飯に変えてみたいと思う。