「おまえがキライ」で見えた人間の行動のワケ--田代センセーのメンタルテクニック(3) - (page 2)

田代真人(マイ・カウンセラー)

2009-02-19 08:00

 ここで盗撮の例に戻って、「損得」「善し悪し」のx軸、y軸だけでは説明できない行為にz軸を加えましょう。そのz軸のそれぞれの端に「好き」と「嫌い」を入れて3次元の空間座標を作ると…… ほら、人間の行動のすべてが説明できると思いませんか? なぜ「損をするし悪いこと」である盗撮をしてしまうのか。それは「盗撮が好きだから」だったんですね……

3次元の図 損得・善し悪し・好き嫌いを軸として人は行動する

 「無償の愛」という表現があります。見返りを求めない行動に対して使うことが多いのですが、まさしくこれは「好き」という感情の究極の形が行動になって表れているのです。得も損も良いも悪いも考えないで、ただ好きだから行動するわけです。

3次元グラフを使って悩みを分析しよう

 実は、この3次元グラフが悩みを自己解決するのに非常に有用なのです。人の行動の理由がわかると同時に、自分の行動の理由も明らかになります。「なぜ彼は私にあんなことをするのだろう?」「どうして私はこんなことをしたいと思うのかしら?」――そう思った時は、この3次元グラフを軸に考えてみましょう。

 彼にとっても彼女にとっても、すべての行動には理由があります。損か得か、良いか悪いか、好きか嫌いか…… その尺度で相手になりきって考えてみる。そうすると理由が見えてきます。

 次回からは、もっと具体的な例を挙げつつこの3次元空間座標の使い方を説明する予定です。

 あ、ちなみに以前「嫌い」と言われた彼は、今ではいい飲み友達になっています。「嫌い」と言われながらもそれを承知で付き合っていると、そういう感情も収まってくるんでしょうね。これこそ、成長し変化する人間という動物のなせるワザなのでしょう。

田代真人
筆者紹介

田代真人
マイ・カウンセラー 代表取締役。九州大学工学部機械工学科卒業後、朝日新聞社を経て学習研究社へ。ファッション女性誌「ル・クール」編集者の後、主婦向け実用雑誌 「おはよう奥さん」の創刊メンバーとして、主婦の悩みを解決する「悩み相談センター」を開設する。その後ダイヤモンド社へ移籍し、「ダイヤモンド・ブレイク!」「ビットビジネス」など数々の雑誌を編集長として創刊した後、ビジネス開発本部副部長に就任。2006年、これまでの編集経験から「人々の悩みを解決したい」との思いに至り、マイ・カウンセラーを設立。2007年ダイヤモンド社を退社し、メディアプロデュース業のメディア・ナレッジを創業すると共に、マイ・カウンセラーの代表取締役に就任する。
ご意見、ご感想は mc-info@mycounselor.jp まで。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

関連記事

関連キーワード
マイ・カウンセラー
経営

ZDNET Japan クイックポール

注目している大規模言語モデル(LLM)を教えてください

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]