「仮想化を導入しても効果が出ない!」--その理由をデルの仮想化担当役員が指摘

大河原克行 2009年02月23日 15時52分

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 仮想化への取り組みは、多くのユーザーにおいて、既に実行段階へと入っている。サーバ運用コストの削減効果や、データセンターの電力消費や冷却コストの削減、設備投資の抑制などの効果が期待されている一方で、効果が限定的であったり、思うような導入成果が上がっていないという話も聞かれる。

 2月20日、来日した米Dellのグローバルインフラストラクチャーコンサルティング・サービスでバーチャライゼーション担当プラクティス・エグゼクティブを務めるRon Oglesby氏が、同社が提案するサーバ仮想化における成功例を示すとともに、「仮想化は諸刃の剣」として、実に5〜6割のユーザーが、仮想化への取り組みに関して、何らかの形で課題を抱えていることを示した。

仮想化導入ユーザーがたどる2つのパス

 Oglesby氏は、「仮想化は、利益も多いが、問題も多い」と前置きした上で、「仮想化に取り組むユーザーは、2つの異なったパスをたどっている」とした。

 典型的な(問題のある)パスとして、Oglesby氏が提示したのが、仮想化における数々の課題だ。不透明なROI、硬直的で混然、VMスプロール(増殖)、組織的混乱、リスクの増大、電力の浪費、サービス費用の経常化……。同氏があげた課題は、元来、仮想化によってこそ解決されると言われてきたものばかりだ。

 例えば、「不透明なROI」という観点では次のように語る。

 「昨年、仮想化に取り組んだ企業のCIOに対して、仮想化が成功であったか、失敗であったかという調査を行った。結果は回答者の半分が、どれだけのコスト削減効果があったが不明確だったとした。誰もトラッキングを行っていないこと、またITスタッフが仮想化に関する最新の技術を導入していないことなども問題だ。さらに、ユーザーにとって、現実味が薄いコスト削減要素が含まれていたり、購買部門のダウンタイムの縮小など、企業の利益に直接反映しない部分での取り組みが含まれていたりといったことが多い」(Oglesby氏)

 さらに、「硬直的で混然」とした点については、「組織ごとに、時期も、目的も異なった形で仮想化を導入することで、当該事業部門でしか使えない環境が作られるなど、本来、仮想化のメリットとなる柔軟性が実現できていない場合がある」とした。

 これらの原因は、仮想化に関する技術的な問題よりも、管理面に問題があるとOglesby氏は指摘する。

 「合理化したプロセスと、適切なプランニングを実行すること、そして、それを技術的にも理解し、プロセスを管理することができる人材を育成することで、優れたパスをたどることができる。優れたパスと典型的なパスとの間には、導入率の差やコスト削減の差が生まれ、長期的視点に立てば、その差は歴然となる。仮想化はポテンシャルが高い。だが、適切に導入しなければ、多くの混乱を招き、期待される恩恵を受けることができなくなる」などとした。

 合わせて、日本のユーザー企業の仮想化における問題点にも言及した。「今回の来日では、仮想化に取り組んでいる2つの企業に訪問した」とし、「どちらの企業にも共通しているのが、仮想化に関する技術コンセプトについては、だれよりも理解しているということ。仮想化の優れたパスについても理解している。これは、日本のユーザーに共通した点だ」と語った。しかし、その一方で、「新たな技術に対して、保守的であることを強く感じた。ある企業では、テストに多くの時間をかけ、結果として、仮想化へのペースが遅くなっている。米国人はカウボーイ気質があり、新しいものに積極的だが、日本では新たな技術に対して保守的な点が課題といえる」と語った。

「優れたパス」による仮想化の恩恵 「典型的なパス」でなく「優れたパス」をたどることでもたらされる仮想化の恩恵

仮想化のROI最大化を支援するデルのサービス

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