SAPジャパン、必要なアプリを選択導入できるスイート製品最新版を国内提供へ

田中好伸(編集部)

2009-02-24 20:36

 SAPジャパンは2月24日、統合基幹業務システム(ERP)や顧客関係管理システム(CRM)などのビジネスアプリケーションをまとめたスイート製品の最新版となる「SAP Business Suite 7」を5月から一般的に出荷することを発表した。一部の限定出荷は昨年11月から開始されていた。

 Business Suite 7に含まれるビジネスアプリケーションは、ERPソフトの「SAP ERP 6.0」、CRMソフトの「SAP Customer Relationship Management 7.0」、供給連鎖管理システム(SCM)ソフトの「SAP Supply Chain Management 7.0」、サプライヤー関係管理システム(SRM)ソフトの「SAP Supplier Relationship Management 7.0」、製品ライフサイクル管理システム(PLM)ソフトの「SAP Product Lifecycle Management 7.0」、そして各業界別のアプリケーションだ。また、ビジネスインテリジェンス(BI)ソフトとして「SAP BusinessObjects」も含まれる。アプリケーションの基盤ソフト群として「SAP NetWeaver」が活用される。

 Business Suiteは、SAPやSAP以外のソフトと連携できるように設計されたモジュール型ソフトであり、ユーザー企業は各ビジネスアプリケーションや業界特有のアプリケーションを必要に応じて段階的に導入することができる。最新版ではサービス指向アーキテクチャ(SOA)に完全対応となっている。

Garrett Ilg氏 「EhP適用と共通基盤を活用することでBusiness Suiteはコストを低く抑えることができる」と強調するSAPジャパン社長兼最高経営責任者(CEO)のGarrett Ilg氏

 また今回の最新版では、Business Suiteの機能を拡張するための拡張パッケージである「SAP enhancement package(EhP)」を活用することで、ユーザー企業に必要な機能を選んで適用することができるようになっている。SAP ERP向けのEhPは第1弾から第3弾まで提供されており、これまでに1000社以上で本稼働されており、1800件のダウンロード数があるという。

 NetWeaverをベースにしたSOAへの完全対応とEhPを適用することで、Business Suiteのユーザー企業は、自社の業界事情あるいは業務部門に合わせた機能をシステムとして活用することができるようになっている。SOA化で機能ごとに部品を組み替えたとしても、エンドユーザーに対しては統一されたユーザーインターフェースを提供できるようになっている。

 今回の最新版では、BusinessObjectsをERPやCRM、SCMなどの業務システムに組み込まれている。これによって、業務部門の部門長などが「日々の業務をこなしていく中で、“気づき”を得られる」(SAPジャパンでカスタマーイノベーションセンター本部長を務める田村元氏)という。

 たとえば、ERPシステムで特定の製品の売り上げが落ちているという情報を知ったとして、その製品に対するクレームがある時期を境に急増しているという情報をCRMシステムで確認。それをもとにPLMシステムで原因となる部材を入れ替え、SRMシステムで入れ替える部材を業者から安く見積もるといったことが可能になるのである。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    「デジタル・フォレンジック」から始まるセキュリティ災禍論--活用したいIT業界の防災マニュアル

  2. 運用管理

    「無線LANがつながらない」という問い合わせにAIで対応、トラブル解決の切り札とは

  3. 運用管理

    Oracle DatabaseのAzure移行時におけるポイント、移行前に確認しておきたい障害対策

  4. 運用管理

    Google Chrome ブラウザ がセキュリティを強化、ゼロトラスト移行で高まるブラウザの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    技術進化でさらに発展するデータサイエンス/アナリティクス、最新の6大トレンドを解説

ZDNET Japan クイックポール

自社にとって最大のセキュリティ脅威は何ですか

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]