クラウド時代のビジネスに最適なITインフラとは?--日本IBMが複数の新サービスを発表

ZDNet Japan Staff 2009年02月25日 20時48分

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 複数のITベンダーが、ITリソースやサービスをニーズに応じて柔軟に組み合わせて利用できるという視点での「クラウドコンピューティング」を標ぼうした製品やソリューションを発表しているが、日本IBMは2月25日、特にITインフラの調達、運用管理の側面にフォーカスした複数の新サービスを発表した。

 IBMでは、「地球がより賢く進化していく」ことを示す「Smarter Planet」というビジョンを掲げている。その「現在よりスマートな未来」を実現するにあたって、必要なITインフラのあり方を「Dynamic Infrastructure」との呼び名で提唱しているという。

 同社によれば、Dynamic Infrastructureにおいては、企業が新たなサービスをすぐに顧客に提供できるようにする「サービスの改善」、仮想化や外部リソースの活用により生産性を向上させる「コスト削減」、高い可用性やセキュリティを実現する「リスク管理」の3つの課題をクリアすることが肝要であり、これらの課題を「セキュリティ」「仮想化」「資産管理」「サービスマネジメント」「エネルギー効率化」「継続性・回復力」「情報基盤管理」の7つの分野に適用することが必要という。

 このDynamic Infrastructureは、一般的に言われる「クラウドコンピューティング」の基盤となる構成要素を、IBMの持つ技術とノウハウをベースに提供するもの。2月25日に発表された、複数の新サービスは、いずれもこのDynamic Infrastructureを構成するものとなっている。

必要な時に必要な規模のITリソースを提供

 Dynamic Infrastructureを実現するサービスのひとつとして発表されたのは、顧客が必要な時に必要なハードウェア資源をネットワーク経由で提供するサービス拠点「IBM Computing on Demandセンター(IBM CoDセンター)」だ。IBM CoDセンターは、同日に千葉県の同社幕張事業所内に開設され、4月1日のサービス提供開始を目指して準備を進めている。

 契約ユーザーは、ネットワーク経由でIBM CoDセンターに接続し、CPUやメモリ、ハードディスクなどのハードウェア資源を期間利用できる。幕張の拠点は、特定顧客向けのセンターを除けば、日本初、世界で7カ所目の拠点になるという。デジタルコンテンツの作成や宇宙開発、金融サービスなどをはじめ、初期設備投資を抑えてビジネスを展開したいと考えるスタートアップ企業や、繁忙期に一定期間だけ利用できるITリソースを拡張したい顧客向けにサービスを提供する。

 サービスの最低使用料金(基本料金)は、クアッドコアCPU2基搭載のサーバを1週間利用する場合で、5万400円(税別)となる。ユーザーのニーズに応じて、物理サーバの占有や共有を選べるほか、将来的に利用スペックを拡張したい場合にも、稼働中のシステムを停止させずに動的な移行が可能。同社の仮想化技術、運用管理技術を生かしたITリソースの利用が可能だ。「契約期間や必要なCPUリソースの量などによっても異なるが、全体的な運用管理などを含めれば、長期になるほどコストメリットが大きい」(同社)という。

業界特有のアセットに対応する統合管理ソリューション

 また、Dynamic Infrastructureの中核となる構成要素である「サービスマネジメント」を実現するソリューションである「IBM Service Management Center for Cloud Computing」および「IBM Service Management Industry Solutions」も同日発表された。

 「IBM Service Management Center for Cloud Computing」は、クラウドコンピューティング環境の構築と運用を、サービスマネジメントの観点から支援するソリューション。ユーザーの要求に応じて、クラウドサービスを提供、管理できる「Tivoli Service Automation Manager V7.1」と、クラウド環境の構成、導入を自動実行できる「Tivoli Provisioning Manager V7.1」を中心としたソフトウェア製品の提供と導入支援を行うものだ。

 ユーザーはこのソリューションを導入することによって、クラウドコンピューティングを構成する、仮想環境、ストレージ構成、ソフトウェア導入といった、個々のコンポーネントの導入や管理ではなく、クラウド全体をターゲットとした、サービスの定義、生成、導入、SLAの管理までのライフサイクル全体にわたる導入管理を低コストで行えるようになるという。このソリューションは、2009年第2四半期より提供開始の予定。

 また、「IBM Service Management Industry Solutions」は、業界ごとのサービス管理を実現するソフトウェア製品に加え、IBMが持つ業界ごとのIT導入、サービス運営に関するノウハウとフレームワークを提供するサービス。最初に提供されるのは「ユーティリティ(公益事業)業界」「通信業界」「製造業界」向けのソリューションだ。ITシステムだけでなく、各業界や企業で既にビジネス基盤として実装されている技術や装置を統合した管理基盤を提供するもので、たとえばスマートメーターやデータ通信、音声通信の統合管理、製造ロボット、RFIDなどの設備と従来のITシステム、インフラを統合管理するための共通のプラットフォームを提供し、サービスの改善を行うという。今後、各種業界向けにラインアップを拡充していく予定。

Dinamic Infrastructure 「Dynamic Infrastructure」の実現にあたって、日本IBMが提供するアセスメントサービスの構成。
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