富士キメラ総研、SaaS/PaaS市場を調査--大企業は部門導入から全社導入へ

ZDNet Japan Staff

2009-08-10 22:16

 富士キメラ総研は8月10日、SaaSおよびPaaS市場の調査結果を発表した。大規模企業では景気悪化による投資抑制の影響を受け、今後はSaaSおよびPaaSの部門導入から全社導入へと利用が広がると予測。中小企業やSOHOでは、安価かつ短期間で業務アプリケーションが利用可能なことから、徐々に利用が拡大すると予測している。

 富士キメラ総研によると、31の調査対象サービスを集計した結果、2008年度のSaaSおよびPaaS市場は708億円。中規模企業の既存システムからの乗り換えや、大規模企業での部門導入が市場拡大を牽引したと分析している。同市場は2013年度に1551億円と、2008年度の約2.2倍になると予測している。

 ユーザー規模別では、2008年度が1000人以上の大規模企業市場では35%、100〜999人の中規模企業市場では40%と、中規模以上が4分の3を占める。大規模企業は、部門導入からSaaSおよびPaaSの利用を始めるケースが多く、フロントオフィス系や情報系アプリケーションを中心に利用が進んでいるという。2009年度以降は、部門導入から全社導入へとSaaSおよびPaaSの業務適用範囲を広げるユーザーが増えると見込んでいる。

 全体の25%を占める小規模企業は、コスト面がネックとなり業務パッケージやシステム導入を見送っていたが、低コストで業務アプリケーション利用が可能になることからSaaSの導入が増えはじめているという。

調査結果の概要(出展:富士キメラ総研)
2008年度2009年度見込2013年度予測
SaaS市場685億円824億円1341億円
PaaS市場23億円40億円210億円
SaaS/PaaS市場708億円864億円1551億円

サービスカテゴリ別SaaS市場(出展:富士キメラ総研)
分野2008年度2009年度見込2013年度予測
バックオフィス系112億円137億円244億円
フロントオフィス系151億円194億円337億円
情報系212億円251億円414億円
特定用途向け134億円152億円196億円
セキュリティ28億円35億円69億円
業種特価48億円56億円82億円
SaaS市場 計685億円824億円1341億円

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