NEC、SaaSを軸に中堅中小企業向けサービス事業を強化

大川淳

2010-02-15 19:22

 NECとNECネクサソリューションズは2月15日、中堅中小企業に向けたサービス事業の強化策を発表した。第1弾として、SaaSを軸とした中堅中小企業向けソリューションを体系化し拡充を図るとともに、パートナー経由の販売を支援する20人規模の専門部隊を確立し、パートナー支援プログラムを新設するなどしてパートナーとの連携体制を大幅に強化する意向だ。

 中堅中小企業向けソリューションの整備と拡充においては、両社と販売パートナーが持つ中堅中小企業向けSaaSアプリケーションやサービス基盤、導入コンサルティングなどを包括的に提供するSaaS型ソリューションを体系化し、順次メニューを増やす。また、SaaSアプリケーションでは、基幹業務を対象とした「EXPLANNER for SaaS」を中心に、周辺業務システム、メールやポータルなどのフロントシステム、建設業やホテル向けなどの業種特化システムを強化する。さらに、シンクライアントや、給与計算、人事情報メンテナンス、コールセンターなどのBPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)分野も含め、中堅中小企業の情報システム部門が担うシステム領域のほぼ全てを網羅する。現在の約15種のサービスを2010年度上期中に約50種に拡大する予定で、幅広い顧客ニーズに対応していく。

 また、販売パートナーが自社のアプリケーションを迅速かつ安価にSaaSで提供できるよう、中堅中小企業向けサービス基盤を提供する。パートナー企業がこの基盤にアプリケーションを乗せる際、NECとNECネクサソリューションズが動作検証やセキュリティの技術支援を行う。販売パートナーは、他のパートナーのサービスを含め、NECのサービス基盤上に乗ったサービスを組み合わせて顧客に提供することもできる。

 さらに、顧客向けにSaaSアプリケーションの専用ポータルサイトを開設する。ここでは、顧客が直接、主なSaaSアプリケーションのデモンストレーションを見たり試行的にデータを入力することなどができ、サービス利用イメージを鮮明にすることで顧客のサービス選択を支援する。第1弾として、5月にEXPLANNER for SaaSのサイトを開設し、順次対象サービスを拡大する。

 パートナーのサービス開発および販売に対する支援の点では、SaaSを中心としたソリューションの開発や拡販を支援する専門部隊を、NECとNECネクサソリューションズに合わせて200人規模で2010年4月に確立し、順次要員数を拡大する。

 5月には、パートナー支援プログラム「NEC SaaSパートナープログラム」を新設する。同プログラムを契約したパートナーに対して、サービス運用全般に関する教育やコンサルティング、営業ツールやヘルプデスクサービスを提供し、パートナーのSaaS事業の早期立ち上げを支援する。

 また、SaaSなどのサービスの実証や体験環境を整備した「NECクラウドプラザ」を、2009年10月に開設した東京以外でも展開する。2010年度上期には、名古屋および大阪での開設を予定しており、販売パートナーが顧客への提案活動の場として活用できるようにする。

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