村田機械とNEC、物流作業を効率化する次世代ピッキングシステムを開発

富永恭子(ロビンソン)

2010-06-14 20:02

 村田機械は6月14日、NECおよびNECネッツエスアイの協力のもと、次世代ロジスティクスソリューション「新ゆびキタスピッキング」を開発する計画を発表した。同システムは今秋、愛知県犬山市の村田機械 犬山事業所内ソリューションセンターに先行導入され、様々な業種におけるピッキング作業の検証実験に活用する予定だとしている。

 NECと村田機械は、2003年3月にロジスティクスソリューション分野で業務提携して以来、様々な共同研究や商品化を進めてきた。今回のシステム開発もその一環であり、村田機械がシステム全体の開発を、NECがメガネ型網膜走査ディスプレイとウェアラブルコンピュータ端末を一体化した「Tele Scouter」および音声認識エンジンの開発を、NECネッツエスアイが無線LAN構築とシステムインテグレーションを担当しているという。

ゆびキタスピッキング 「ゆびキタスピッキング」装着イメージ

 村田機械は、2008年9月に物流システムとITおよびネットワークシステム、現場端末などを有機的に連携させ、RFIDを活用した次世代ロジスティクスソリューションとして、「ゆびキタスピッキング」を開発した。新システムは、NECのTele Scouterを中核として採用し、物流現場におけるピッキング作業を効率化するものだという。同システムの活用により、これまで村田機械が提供するゆびキタスピッキングのさらなる小型化と軽量化を進めるとともに、モニター視認性を向上したとしている。

 新ゆびキタスピッキングでは、作業者が「作業開始」と音声で入力すると、NECの音声認識技術により中央のサーバで認識され、Tele Scouterに附属したメガネ型網膜走査ディスプレイにピッキングリストが表示される。メガネ型網膜走査ディスプレイは、ブラザー工業が開発する目に入れても安全な明るさの光を網膜に当て、その光を高速で動かすことによる残像効果を利用したモバイルディスプレイ。網膜に投射された映像は「視覚」として認識され、あたかも目の前に映像が存在しているかのように感じるという。読み取ったデータは、ウェアラブルコンピュータ端末を介して中央のサーバに送られ、自動的に照合される。

 また、Tele Scouter附属のカメラには、バーコード読み取り用のソフトが搭載されている。そのため、製品が置かれているエリアに立ち、ピッキング対象製品にカメラを向けるだけでバーコードの読み取りができ、ハンズフリーでのピッキングが可能になった。これにより、従来製品ごとに手作業で行っていたピッキング作業時間が最大15%短縮できるとしている。

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