ウチダエスコ 武井社長:iOS端末の対面修理で法人から個人に事業拡大

大河原克行

2011-10-26 12:08

 ウチダエスコは、アップルのiPhone、iPad、iPodの対面修理を開始した。

 同社は内田洋行の関連会社。1989年からアップルと国内における保守契約を締結し、1991年にはアップルのノートPC「PowerBook」の専用修理工場として子会社のアークを設立。Apple正規サービスプロバイダとして、22年間に渡りアップル製品の保守や修理を行ってきた経緯がある。

 修理に関しては、アップルの純正部品を使用。メーカー保証期間内であればメーカーの修理規約に準じた無償修理を実施するなど、メーカー修理と同等の技術やサービスを提供しているのが特徴で、オンサイト(出張)修理やセンドバック(預かり)修理、窓口での対面修理などを全国13カ所の同社アップル認定拠点を通じて提供してきた。

ウチダエスコ代表取締役社長 武井均氏
ウチダエスコ代表取締役社長 武井均氏

 「企業や学校、個人ユーザーなどの幅広い修理に対応しているほか、アップルをはじめとして20社132機種の正規保守を行う体制を整えており、長年に渡る修理ノウハウを蓄積しているのが当社の特徴」と、同社代表取締役社長の武井均氏は語る。

 提携している20社合計の年間修理台数は、センドバック修理で約10万台、オンサイト修理で約7万台の規模に達するという。

iOS製品専任チームを設置

 今回、アップル製品の保守対象範囲を、従来のiMac、Mac mini、Mac Pro、MacBook、MacBook Pro、MacBook Air、Xserveなどに加え、新たにiOSを搭載した製品にまで広げ、iOS製品向けに22人の専任チームを設置。iPhone 3G、3GS、4、4Sのほか、iPad全機種に対応。iPodについては、iPod shuffleを除く全機種を対象とする。

 購入日から1年間のメーカー保証期間内や、AppleCare Protection Plan加入による購入日から2年間であれば、メーカーの修理規約に準じて無償で修理。iPhoneの対面修理では、最短約20分での即時修理が可能だという。

 さらに、修理後の保証期間は、修理保証90日または保証期間の残り日数の長い方が適用される。なお、日本国外で購入した製品は修理対象外となる。

 対面修理を行うのは、札幌、仙台、新潟、高崎、浦安、大宮、多摩、東京、名古屋、福岡、沖縄の11カ所の同社アップル認定サービス拠点。年内には大阪、横浜でもサービスを開始し、同社が展開する全13カ所のアップル認定サービス拠点での対応が可能になる。受付および作業時間は平日の午前9時から午後5時まで。

 「iPhone、iPad、iPodは、まずは対面修理のみでスタートするが、今後はオンサイト訪問での修理対応も行っていく。センドバックについては、契約の関係からiOS対応製品では行わない」としている。

 修理後は、端末を購入時の状態で返却するため、事前にiTunesでのデータバックアップを行う必要がある。また、診断の過程では復元作業を行う場合があり、その際の復元後のiOSは最新版となる。

東京事業所の受付窓口の様子
東京事業所の受付窓口の様子

 アップル製品の場合には、これまでは主に法人向けの修理が中心となっており、個人向け修理は3割以下に留まっていた。

 武井氏は、「個人ユーザーはアップルストアに直接持ち込むというケースが多く、当社ではオンサイトやセンドバックを活用する法人ユーザーの利用が多い。また、量販店などから受託する修理では、個人ユーザーが多いと見られるが、当社側では詳細まではわからない。2015年になれば、個人、企業、学校などのあらゆるユーザーにおいて、クラウドコンピューティングサービスを利用する時代が到来するだろう。その際には、iPhoneやiPadといった情報端末が『情報の蛇口』となる。当社の修理事業の拡大という観点でも、こうした情報端末への対応が不可欠になってくる。個人向けのオンサイト修理に対するノウハウも蓄積しており、今後拡大する個人向けの修理拡大にも十分対応していける体制を整えている」とした。

 ウチダエスコの2011年7月期の連結業績は、売上高が111億8600万円、営業利益は6億8500万円、経常利益は7億100万円、当期純利益は4億円だ。保守や修理などを行うフィールドサポート事業の売上高は66億200万円、営業利益5億4600万円。同社では、全国に34カ所のサービス拠点を持ち、各種修理業務のほか、リモートメンテナンスサービス、ヘルプデスクサービス、キッティングサービスなどを提供している。

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