分析とデータの発見が注目を集めている--ティブコ副社長

怒賀新也 (編集部)

2012-05-25 12:40

 日本ティブコソフトウェアは5月24日、2007年に買収し、世界で展開する分析基盤ソフトウェア「Spotfire 4.0 日本語版」を発売すると発表した。自社のソーシャル情報共有ソフト「Tibbr」やMicrosoft SharePoint Serverと統合。「つぶやき」を業務に生かす社内ソーシャルの仕組みを、個人間だけでなく、役割などのさまざまな文脈に沿って利用できるようにした。これにより、情報共有の効率が上がることで組織力が高められるとしている。

 日本では東芝グループをはじめとした約200社がSpotfireを採用。東芝では、本体のほか、社内で分社化した半導体カンパニーの東芝セミコンダクターが、半導体の歩留まり解析に利用していた。半導体の製造では、500から1000というパラメータを持つ大量データを扱うことが多く、処理能力も問題だった。

ソーシャルの仕組みを取り入れた。個人だけでなく、サブジェクトなど業務の文脈を取り入れている
ソーシャルの仕組みを取り入れた。個人だけでなく、役割など業務の文脈別に情報を共有できる

 同社では、「半導体の工数分析」で、従来の方法で100分かかっていた作業が21分になったことや、「歩留まり解析」ではパラメータの変更が多いため従来7時間かかっていた作業が1分になったことなど、具体的な導入効果を確認した上で、導入に至ったとしている。

 4.0では、ソーシャル機能のほか、1つの画面で関連情報をすばやく参照できるようにしたインターフェースの改善、KPIに影響を及ぼす要因をすばやく特定できるようなダッシュボードの導入など、さまざまな機能を追加した。

米ボストンのオフィスから来日したロリオン副社長は、Tibcoによる買収前からSportfireに在籍しているという
米ボストンのオフィスから来日したロリオン副社長は、Tibcoによる買収前からSportfireに在籍しているという

 新製品をユーザーに紹介するために来日した、米Tibco SoftwareのSpotfireのマーケティングを担当するマーク・ロリオン副社長は、BI市場のトレンドについてGartnerのコメントを引用しながら「従来型のレポーティング領域と専門知識を持つ者だけが使う高度だがカスタマイズが難しい分析機能の間にある、“Analytics & Data Discovery(分析およびデータの発見)”という領域が急速に注目を集めている」と指摘。

 同氏はその新たな領域のキーワードとして、可視化され双方向であること、動的かつすばやく使いやすい、アドホック、あらゆるユーザーが使えることなどを挙げた上で、Spotfireがそれを実現できるとしてアピールした。

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