オープンテキスト、企業向けファイル共有システム「Tempo Box」提供

田中好伸 (編集部)

2012-12-11 17:42

 オープンテキストは12月11日、企業向けファイル共有システム「OpenText Tempo Box」の販売を開始した。価格はパートナー企業に問い合わせる必要がある。オンプレミス、スタンドアローン、クラウドの3つの形態だが、日本市場ではオンプレミスとスタンドアローンで提供される。

 Tempo Boxは企業のファイアウォールの領域で企業が取り扱う情報を保存する。アプリをベースに提供され、エンドユーザーはPCに加えてスマートフォンやタブレットから必要なファイルを使って仕事ができる。オフィスや外出先、自宅でも必要なファイルを利用できるため、情報共有やコラボレーションが容易になるとメリットを強調している。

 エンドユーザーはあらゆる端末から自由にファイルにアクセスして、修正できる。修正されたファイルは、端末間で即座に変更内容が自動的に同期化される。常に最新版のファイルを利用できる。ノートPCに障害が起きても、使っていたファイルを別のマシンから取得して作業を続けられる。エンドユーザーが意識しなくても、文書管理システム(CMS)にファイルがアップロードされる。

 オンプレミス型の「Tempo Box Content Server Edition」は自社ですべて配備、運用できる。オープンテキストの統合型CMS「OpenText ECM Suite」のユーザー企業が既存資産を活用しつつ、簡単にファイルを共有できるように設計されているという。

 スタンドアローン型の「Tempo Box Express Edition」は既存のCMSがなくても利用できる。そのほかのコンテンツリポジトリと併用して利用可能という。ファイルの保存を完全に制御しながら、ファイル管理機能の利便性を簡単かつ迅速に享受でき、シンプルで高速な文書共有が可能になるとメリットを説明している。

 日本市場では現段階で提供されない、クラウド型の「Tempo Box Cloud Edition」は、OpenTextにホスティングされたTempo Boxを利用することになる。ストレージやセキュリティなどはOpenTextが保持する。

 現在、モバイル端末の高性能化で私物端末の業務利用、いわゆるBYODに企業がどう対応するかが問われている。その一方で、個人を対象にしたDropboxやEvernoteなどのクラウドサービスを業務に活用するケースも増えている。いわば“Bring Your Own Cloud(BYOC)”とでも呼ばれる状況だ。

 このBYOCでは、情報システム部門が関与することなく、業務で取り扱われる情報やデータがクラウド上に載ることになる。クラウドサービスを提供する事業者は、もちろんその安全性を強調する。

 だが、その使い方いかんによっては、データが流出することもあり得ないことではない。こうした懸念から、BYODだけでなくBYOCにどう対応するかも企業は問われている。オープンテキストが提供するTempo Boxは、こうした懸念に対する解決策のひとつになり得ると表現できる。

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