MM総研は2月14日、2012年の国内のPC出荷台数実績を発表した。台数は前年2.7%増の1520万7000台。過去最高を記録した2010年の1527万1000台には及ばなかったが、台数でみると1995年の調査開始以降で過去2番目の規模になったという。
金額は、個人市場でのタブレットとの競合や法人市場での低価格製品要求が高まったことから、前年比13.7%減の1兆71億円。平均単価は6万6000円。前年から1万3000円の減少となっている。
個人と法人で分けてみると、個人市場向けの出荷ルートである“個人系ルート”は前年比3.9%減の742万5000台を出荷している。企業や官公庁向けのメーカー直販と販売店での販売を合計した“法人系ルート”は前年比9.9%増の778万7000台となっている。
個人向けでは、2006年以来6年ぶりの出荷台数減。年前半は、新OSのWindows 8の買い控えの影響もあったとみている。だが、Windows 8が登場した2012年10~12月期の出荷台数前年比も87.5%と振るわなかったとしている。特に年末商戦期にあわせ、AndroidやiOSを搭載した7インチ級の低価格タブレットが登場したことで、タッチパネルを前面に出したWindows 8搭載PCが、これらのタブレットと競合して、結果的に低価格タブレットに顧客が流出したとみている。
法人向けでは、年前半こそは厳しい経済環境が続いていたが、Windows XPからWindows 7への移行ニーズが顕在化しており、買い替え需要が活性化してプラス成長になったと分析している。法人ユーザーでは、2013年度末にサポートが終了予定であるWindows XPからWindows 7への更新需要が市場拡大を後押ししていると分析。この需要は2013年度中も続くと予想している。
2013年の国内PC市場については、個人市場が前年比7.5%減の687万台、法人市場が前年比2.7%増の800万台、全体では前年比2.3%減の1487万台を見込んでいる。MM総研は、低価格タブレットとWindowsタブレットを含むPC市場は、中長期的にユーザーが用途に応じて端末を使い分けることですみ分けると分析。短期的には食い合いが起こり、2013年の個人向けPC市場は低調な状況が続くとみている。
同社は2012年の初めに、2012年は「タブレットとPCの本格競争が始まる」と予想。2013年は特に個人市場で7インチ級の低価格タブレットに奪われた需要をどのように取り返すかというPC陣営の巻き返し戦略に注目が集まると説明している。