技術者は人生に対してユニークな姿勢をとっている。このため、従業員の健康増進を図るプログラムもそれを反映する必要がある。ここでは、そうしたプログラムを正しい方向に導くためのティップスを紹介する。
#1:創造性を主な目標にする
一般的に信じられていることとは裏腹に、コスト削減は職場の健康増進プログラムが目指す唯一の目標ではない。そして、あなたの会社が技術系企業であったり、あなたがITチームの管理を行っている場合、それは目標とならない。
そうではなく、創造性に目を向けるようにしてほしい。従業員の作業がウェブデザインなのか、ソフトウェア開発なのかに関係なく、技術者という人種は枠の外で考え続けることが要求されている。そうすれば会社により多くの利益がもたらされる。優れた健康増進プログラムによってチームが活性化し、創造性が醸成されていくというわけだ。このため、コスト削減にとらわれるのではなく、健康増進プログラムにコストをかけることでもたらされる収益力の強化という面を考えるようにしてほしい。
#2:長期的な観点に立つ
これから入社してくる従業員の多くはジェネレーションY、そしてミレニアルと呼ばれる世代(1970年代後半から2000年代初頭に生まれた世代)となる。この世代は以前の世代とは違って個人の生活を重視しており、雇用者に対しても同じことを期待する。
このため、人材募集という観点からそうした世代にアピールするというのも健康増進プログラムの目標として追加される。最高の人材であれば、従業員の健康面にまともに注意を払わない企業など見向きもしないだろう。こういった点から、今いるチームメンバーの健康状態だけでなく、会社の将来の健康状態をも向上させるものとして健康増進プログラムを捉えてほしい。
#3:人間工学に重点を置く
人間工学的な問題によって、反復運動過多損傷や、肩こり、腰痛、眼精疲労をはじめとするさまざまな悪影響がチームに襲いかかる。そして、こういった苦しみを抱えていると、技術者は最高のパフォーマンスを発揮できないのである。
人間工学をおろそかにしてチームの疲弊を招いてはいけない。企業文化の一環として人間工学を取り込み、専門家に依頼してチーム全員の作業環境を定期的にチェックするようにしてほしい。
依頼する専門家は、単なるオフィス家具のセールスマンであってはいけない。従業員が長年にわたってダメージを受けてきている場合、環境を人間工学的なものに変えたとしても回復するとは限らない。このため、ちゃんとした理学療法士を雇う必要がある。彼らは作業環境がどういったものであるべきかだけでなく、受けてしまったダメージを軽減する方法についてもトレーニングを受けている。