三国大洋のスクラップブック

心中やいかに--気になるビル・ゲイツ「現役復帰」の可能性

三国大洋

2013-11-22 08:00

 先週の終わりからMicrosoftのトップ人事に関わる話がさらに目立ってきている。米国時間17日には、WSJ.comでSteve Ballmerとのインタビューをまとめた独占記事が掲載されていた。

Ballmer on Ballmer: His Exit From Microsoft - WSJ

 19日にはMicrosoftの年次株主総会が開かれ、Ballmerが「XboxとBingはMicrosoftにとって大変重要なパーツ」と述べて、先に浮上していた「両事業切り離し」の噂に釘を刺したといった話も出ていた。

In final shareholder speech, Ballmer defends Bing and Xbox as key parts of Microsoft - GeekWire

 またこの株主総会で、久しぶりに壇上に立った会長のBill Gatesが――ちょっと涙ぐみ、咽を詰まらせながら――次期最高経営責任者(CEO)選びの進捗状況を報告した、というニュースも流れていた。

Bill Gates holds back tears as he discusses Microsoft's CEO search - The Verge

 (確かにちょっと涙ぐんでいる感じも。何に対してグッと来たのかは定かでないが)

 Bloomberg TVでは、株主総会の話の関連で、当然ながら次期CEO選びの話題にも触れていた。

What Does the Future Hold for Microsoft? - Bloomberg TV

 さらに、米国時間20日には「Bill Gatesがトップに復帰するのが一番いいんじゃないか」というCharles SchwabのコメントがBloombergで伝えられていた。

Bill Gates Should Return to Lead Microsoft, Schwab Says - Bloomberg

 Charles Schwabといえば、ネット証券が登場する以前の1980~90年代に台頭し、成功を収めたディスカウント証券会社の創業者(ただし創業は70年代)。そして、一時は経営の第一線から退いていたものの、その間に左前になりかかった会社を救うべくCEOに復帰して立て直しに尽力……といった経歴の持ち主。そんなCharles Schwabが「(業績がひどく悪化していた当時の)Schwabを立て直すには、自分を呼び戻し、社内にあった企業文化の問題に関わるいくつかの事柄を打ち壊すしかなかった」と述べ、「いったんできてしまった企業文化(社風)を壊せる人間はただ1人(=創業者)しかいない」というのは実に説得力がある(註1)。

 このBloombergの記事には、Charles Schwabと似たような経緯でCEOに復帰した創業者の例としてMichael Dellの名前が挙げられているが、他にHoward Schultz(Starbucks)や柳井正(ユニクロ)などの名前もすぐに思い浮かぶ。さらに、Steve Jobs(Apple)なども結果的には「トップに復帰して立て直しに成功」した例に含まれるだろう(途中の経緯はいろいろあったにせよ)。

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