明治学院大、学生情報の分析基盤を稼働--入試から就職まで、教育環境を整備

山田竜司 (編集部)

2014-02-18 18:59

 明治学院大学は、入試から卒業、就職までの学生情報を一元化して分析できるシステムを2013年4月から稼働させている。ウイングアークが2月18日に発表した。

 今回のデータ分析の基盤導入は、「客観的事実に基づく判断のために、学生情報の分析環境を整備する」という目的で始まった。導入を推進した総合企画室では客観的事実を知ることで、それに基づいた教育方法の改善や制度の見直しが学生の満足度向上につながると考えたという。

 学生の属性情報を基にデータベースの設計図を作成し、それにもとづいた提案を複数のベンダーに求めた。最終的にウイングアークが提供するビジネスインテリジェンス(BI)フロントツール「MotionBoard」やBIエンジン「Dr.Sum EA」などを採用。同社のBIコンサルティンサービスも活用した。

 採用理由として、ウイングアークのパッケージ製品としての完成度や導入実績、コンサルタントの知見、サポート力などを挙げた。IT専門部署ではない総合企画室でも使いこなせる操作性やグラフなどの表現力も評価したという。

 2013年4月から稼働を開始したデータ分析基盤「MISSION(Management Information System for Strategic Intent and Orientation Navigation)」では、入試から就職までを一元化して分析できるようになり、これまで感覚や経験に基づいて判断していた学生の傾向を、客観的な事実として見れるようになったという。

 MISSIONが分析する対象項目は出身地域や出身高校、入試制度、履修内容、留学、所属サークル、TOEFLスコア、就職先業種など約120項目あるという。こうした項目を分析することで、実情に合った教育方法の実践や学内組織の企画ができるようになったとした。

 執行部に提出する定型レポート作成でもMotionBoardではデータを入れ直すとレポートを作成できるため、作成作業の効率化が図れたと説明。教室の稼働状況などの学生情報以外の分析対象として加えるなどBIの分析項目を追加しているという。

 今後は、データを蓄積することで精度の高い傾向把握や予測を可能にするなど、より踏み込んだ活用を検討している。図書館での滞在時間などICカードなどで学生の行動情報も付加して分析、事象の相関関係を把握して、教育サービスの強化や学習支援の拡充への展開を検討している。

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