Linux認定資格LPIC、現場の実情にあわせて試験を更新--年末にはOpenStackも

森英幸 2014年06月27日 17時55分

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 ベンダーニュートラルなLinuxの認定資格として幅広い支持を受けているLPIC。日本国内での累計受験者数は、5月時点で23万人を突破している。

 LPICの試験内容は定期的に見直されているが、今回レベル1とレベル3で出題範囲が変更されたという。その変更内容と今後の展開について、LPIカナダ本部の試験開発ディレクターであるMatthew Rice氏に話を聞いた。

オープンソース方式で試験を開発

――LPIではどのように試験を開発しているのか。

 LPIでは、Linuxなどのオープンソースソフトウェア(OSS)と同じ方法で、試験問題を開発している。すなわち、試験の設計から出題範囲や出題形式の決定まで世界各国のパートナーと相談しながら決めていく。出題範囲はLPIのWikiサイトで公開されており、個人でもボランティアとして試験開発に参加できる。

 こうしたプロセスを経ることで、現場での使われ方に則したLinuxの技術力を測れる試験問題になると考えている。今回来日したのも、日本のパートナー企業や認定校を訪問してヒアリングするのが目的だ。ヒアリングすることで、実際に現場でLinuxを使っている人たちの意見を吸収し、試験に反映できる。

Matthew Rice氏
LPIカナダ本部で試験開発ディレクターを務めるMatthew Rice氏

Linuxの変化にあわせて試験をアップデート

――今回のアップデートの内容を教えてほしい。

 Linuxは日々進化を続けており、技術的な要素が変わっていく。そのため、LPICが現場で役立つ認定資格であり続けるためには、試験の内容もその変化にあわせて更新する必要がある。

 LPICではそうした見直しを定期的に行っており、LPICレベル1(101、102)は、今回のアップデートでバージョン4.0になった。バージョン4.0では、大きな変更として出題範囲にsystemdを追加した。Linuxではシステムの起動とランレベルの制御に、長年System V形式のinitが使われてきたが、現在、多くのLinuxディストリビューションはsystemdを採用するようになっている。

――LPICレベル3で行われた変更はどのようなものか。

 LPICレベル3の304試験は、今回初のアップデートを受けてバージョン2.0になる予定だ。304は仮想化と高可用性についての技術力を判定する試験だが、Linuxは仮想化プラットフォームとして広く使われるようになっているため、仮想化の出題比率を50%から60%に高める。

 内容にも大きな変更がある。現在、LinuxのハイパーバイザとしてはKVMとXenが広く使われているが、このうちXenの対象バージョンを4.xに変更する。304試験を開始した時点では、KVMはまだ新しくて現場ではあまり使われていなかったため、Xenよりも重要度を低く設定したが、現在はKVMも広く使われている。

 そこで、KVMの重要度を高め、KVM管理ツールの変更にあわせて内容も更新する予定。このほか仮想化では、仮想化の抽象化ライブラリ、libvirtを新たに出題範囲に加える。

OpenStackの認定試験は2014年末に開始

――今後のLPICの拡充予定について聞かせてほしい。

 今回改定した304試験は仮想化の基盤技術を対象にしているが、クラウドの構築では、仮想サーバを自動的に構成するために、仮想化基盤の上で動作するOpenStackのようなソフトウェアが利用されている。そこで現在LPIでは、2014年末の試験開始を目指してOpenStackの試験を開発中だ。試験名称はまだ決定していないが、技術レベルとしては、LPICレベル1を保有する人を対象とした試験になる予定だ。

 LinuxとOSSの世界では、ソフトウェアを開発し、システムを構築するとともに運用も担う“DevOps”という職種の人たちが増えている。プロプライエタリな世界では存在しなかった職種だ。LPIとしては、こうしたDevOpsの人たちに向けた認定資格のニーズがあるなら、ぜひ開発したいと考えている。

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