松岡功の一言もの申す

IBMが目論むPaaS統合戦略

松岡功

2014-09-03 07:00

 日本IBMが先頃開いた最新のPaaSに関する記者説明会で、新たな戦略展開が浮かび上がってきた。キーワードは「統合」である。

現在は2つのPaaSを展開

 IBMは現在、既存のアプリケーションをクラウド化する「PureApplication」と、クラウドアプリケーションを迅速に開発できる「Bluemix」という2つのPaaSを展開している。これらの最新動向について、日本IBMが先頃、記者説明会を開いた。

 PureApplicationは、プライベートクラウドでPaaSを提供できる垂直統合型システムとして2012年4月に発表された「PureApplication System」が発端。直近では今年6月に、PureApplication Systemの技術をオフプレミスでも利用できる「PureApplication Service on SoftLayer」が発表された。

 一方、Bluemixは、今年6月に正式公開されたサービスである。オープンソースソフトウェア(OSS)のPaaS環境ソフトウェア「Cloud Foundry」をベースとして、GUI部分をIBMが開発した。IaaSにはIBMの「SoftLayer」が適用されている。

 PureApplicationが既存のアプリケーションをベースとしたIBM色の濃いプラットフォームなのに対し、BluemixはOSSをベースとしたオープン指向のプラットフォームといえる。

 会見で説明があったこれらの最新動向の詳細については、関連記事を参照していただくとして、ここでは会見の中で浮かび上がってきたIBMのPaaSにおける新たな戦略展開に注目したい。


右から、日本IBMのVivek Mahajan専務執行役員ソフトウェア事業本部長、
高瀬正子ソフトウェア事業本部クラウド・プラットフォーム・サービス事業部長、
清水徳行 理事ソフトウェア事業WebSphere事業部長

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    「デジタル・フォレンジック」から始まるセキュリティ災禍論--活用したいIT業界の防災マニュアル

  2. 運用管理

    「無線LANがつながらない」という問い合わせにAIで対応、トラブル解決の切り札とは

  3. 運用管理

    Oracle DatabaseのAzure移行時におけるポイント、移行前に確認しておきたい障害対策

  4. 運用管理

    Google Chrome ブラウザ がセキュリティを強化、ゼロトラスト移行で高まるブラウザの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    技術進化でさらに発展するデータサイエンス/アナリティクス、最新の6大トレンドを解説

ZDNET Japan クイックポール

自社にとって最大のセキュリティ脅威は何ですか

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]