Oracle OpenWorld 2014

オラクルのエリソン氏、自社クラウド戦略の優位性を強調--昨年の講演キャンセルを謝る一幕も

Rachel King (ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部

2014-10-01 13:02

 サンフランシスコ発--Oracleの年次ユーザーカンファレンス「Oracle OpenWorld San Francisco 2014」で、同社の経営執行役会長兼最高技術責任者(CTO)Larry Ellison氏は、カンファレンス初日の米国時間9月28日に引き続き、30日にも同社のクラウド戦略を「ドリルダウン」した。

 Ellison氏は、同カンファレンスで毎回恒例となっている2度目の基調講演を、2013年は国際ヨットレース「アメリカスカップ」のせいで取りやめたことに短く言及した(謝罪した)後、Platform-as-a-Service(PaaS)について詳しく説明した。

 同氏は「ERPなどの特定分野において、われわれは先駆者だ」と誇らしげに述べたうえで、「Oracleがこれらのアプリケーションと生産性の面で成功を収められたのは、極めてパワフルなこのプラットフォームがあったおかげだ」と述べた。

 Ellison氏とOracleはここ2日半の間で、クラウドに対する本格的な取り組みとクラウドにおける3つの層すべてでのサービスを、何度も強調してきている。

 Ellison氏は、ここに至るまでのOracleの長い道のり(2012年に「Oracle Cloud」が登場したことで、よりパブリックな道のりとなった)を振り返り、既存のOracleデータベースとアプリケーションを、「ボタンを押す」くらいの容易さでクラウドへ移行できるようにするのが目標だと述べた。

 しかし同氏は、オフプレミスへ、そしてクラウドへと移すだけでは不十分であることも認めた。

 ユーザーがOracleのプラットフォーム上で何かを構築する際に(あるいは、少なくともアプリをOracleのプラットフォームへと移行する際に)、アプリは暗号化され、マルチテナント化されるため、開発者らは「コードを1行たりとも」変更せずに済むとEllison氏は確約した。つまりここで、JavaやWebLogicといった、標準に基づいたテクノロジでよく語られる、Oracleお気に入りの信念が登場するというわけだ。

 Ellison氏は「ユーザーはボタンを押すだけで、他に何もしなくても、データのモダナイズができるようになる」と約束し、「つまり、ユーザーのストレージコストが低減するとともに、パフォーマンスが増大するわけだ」と述べた。

 またOracleは、他のクラウド競合企業やSaaSプロバイダー、とりわけSalesforce.comやSAP、Workdayに対抗するなか、自社のプラットフォームをワンストップショップとして売り込んできてもいる。

 Ellison氏は「ほとんどのSaaS企業はプラットフォームサービスを提供していない」と述べたうえで、「そうしたサービスを提供する数少ない企業であっても、彼らが基盤としているものと同じプラットフォームを提供してくれるわけではない。私の友人である、Salesforce.comのMarc Benioff氏を悪く言うつもりはないが、Salesforce.comもわれわれのプラットフォームを基盤としているのだ」と語った。

 あらためて述べておくと、Salesforce.comとOracleは2013年に9年間にわたるクラウドサービス合意を締結し、アプリケーションとプラットフォーム、インフラという、クラウドにおける3つの層すべてで両社のクラウドを統合している。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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