McAfee FOCUS USA 2014

ライス元国務長官訴える--サイバー犯罪を取り締まる国際的な枠組み

鈴木恭子

2014-11-07 07:00


元国務長官であり米国国家安全保障問題担当大統領補佐官などを歴任したCondoleezza Rice(コンドリーザ・ライス)氏

 今、世界はカオス状態だ。イスラム国に代表されるテロの拡大や、(米国と)ロシア/中国との対立など、グローバルで政府のガバナンスが崩れている。その理由は指導者が国民のニーズを吸い上げられなくなっているからだ。そのため極端な行動や言論が多数の支持を得ている――。

 こう語るのは米国国家安全保障問題担当大統領補佐官や国務長官などを歴任したCondoleezza Rice(コンドリーザ・ライス)氏だ。10月27日から3日間の日程で開催された米McAfeeのパートナー向け年次コンファレンス「McAfee FOCUS USA 2014」において、特別ゲストスピーカーとして登壇した。同氏は、国家規模でのサイバー脅威について語るとともに、現在の世界情勢にも言及した。

 現在はスタンフォード大学教授(政治学)および同大学フーヴァー研究所上級フェローを務めているRice氏。技術の進歩が及ぼす世界の変化については「モバイルやSNSの普及が大きく影響している」とし、「国務長官だった2008年ごろからSNSが台頭してきた。それまで世界は“村”の中で起こったことは外部に伝わらなかったが、現在は瞬時に世界中の人と共有できるようになった。その結果、『アラブの春』の革命を後押しした」との見解を示した。

 また、中近東情勢については「(中近東の)国境は過去の宗主国が机上で決めた。(地域の民族/文化を分断するように)人工的に作られた国家は安定しない」と語った。さらに、米国と一部対立関係にある中国とロシアに対しては「巨大な力を持つ国家が支配欲をむき出しにし、変な挙動をすると国際的には危機になる。ガバナンスに問題のある国が幅を利かせれば世界は不安定になる」と、その姿勢を批判した。

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