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2020年にOSSは主流に、LinuxはWindowsを逆転する--レッドハット廣川社長 - (page 4)

吉澤亨史 山田竜司 (編集部)

2014-12-04 07:00

--リーダーシップを発揮するときに意識していることは。

 必ず結果を出すことです。たとえば営業の立場でお客様に買っていただくには、その人が何を実現したいのか、何が欲しいのか、とことん話を聞いて、それに対して努力した結果、成せるものを見せます。そうすると必ず買ってくれるのです。オープンソースは方法や手段であって結果ではありません。だからオープンソースがいかにすごいかを説明しても効果はありません。

 また、ビジネス的なプランニングには「4dx」という手法を用いています。伸ばさなければいけない分野で年率20%伸ばすというときに、そのために重要なことを順位付けして、それに集中することです。例えば見込み顧客を20人集める、顧客への宣伝を3倍にする、新しいパートナーを10倍増やすなど、いろいろあると思います。これは「Wildly Important Goals(WIGs)」といって、目的に対する一番重要な次のアクションレベルを3つ選んで実行します。

 それを、役員のレベル、部門レベル、マネージャーレベル、個人レベルと、それぞれに3つのWIGを作成して実行し、さらにトラッキングしていきます。そして業績をレビューしますが、数字のレビューで足りないとなったら次の対策をします。しかし、それではタイムラグが発生してしまうので、結果を出すために今度は見込み顧客の評価、先行指標にも力を入れていきます。先行指標をいつも持って、それを効果指標にして行動を起こし、その結果に対してPDCAを回していくわけです。

--現状の課題は。

 一番の課題は知名度です。つまり、仮想化やクラウドの根幹のテクノロジがOpenstackであり、非常に多くの部分でRHELが採用されている ということは、あまり知られていません。

 そのため、われわれがやらなければいけないのは、先ほどの「聞く力」はもちろん、「伝える力」を相当上げる必要があります。マーケティングの会社ではないので、マーケティングに対する予算も非常に少ないです。ましてコンシューマー向けでもありません。技術的にもかなりのレベルになってきているので、知っていただくということが重要だと思います。

 もちろん、マーケティングチームも少しずつ増強していますし、事例もかなり増えました。また、既存システムのクラウド化などを推進する「オープンソース・インテグレーションセンター」を2013年から立ち上げています。ここには現在、46社ほどのパートナーが入っていますが、どんどん拡充していきます。

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