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2020年にOSSは主流に、LinuxはWindowsを逆転する--レッドハット廣川社長 - (page 5)

吉澤亨史 山田竜司 (編集部)

2014-12-04 07:00

--例えば、インメモリなどの最新技術にキャッチアップできているか。

 SAPでは、インメモリデータベース「HANA」とJBossを組み合わせて、インメモリ技術で高速化したデータベースを使って戦略情報やビジネスプロセスを効率化しています。データベースを高速化して、リアルタイム処理をしたいという要望は非常に多くなっています。そこはわれわれもやっていて、たとえば大手通信会社の事例では、2000万~3000万のユーザーの請求業務(ビリング)に1日10時間くらいかかっていたといいます。


 それをわれわれは、(NoSQLデータストア)「JBoss Data Grid」でグリッド化(複数のサーバのメモリにデータを分散管理し、並列に処理すること)して高速化し、キャッシュとキーで高速化するような仕組みを作りました。これが非常にフィットして、10時間かかっていたものが分単位、場合によっては秒単位でできるようになりました。

 これはビリングだけでなく、決済システムにも使えます。電話会社であれだけの処理ができるようになったら、クレジット会社などにも有効ですよね。

--5年後の展望は。

 2020年くらいには、オープンソースがメイン、メジャーになっていると思います。Linuxは、ここ2年くらいでメインフレームやUNIXを抜いています。これは世界でも日本でも同様です。次の4~5年でLinuxについて年平均13%伸びれば約50%、ほぼ半数になり、おそらくWindowsを逆転します。さらに加速するのがクラウド化、モバイル化ですね。今までWindowsがサーバのメインになっていたかというと、クライアントがWindowsだったからです。

 しかし今、クライアントもはやもはやLinuxベースのAndroidです。ここ2年ほどで日本はスマホがパソコンのトランザクションを抜いたといいます。クライアントがAndroidになってきたら、サーバはもっと速くて軽いオープンソース、Linuxになってくるわけです。

 RedHat Linuxでは、「Docker」をサポートしています。今後、開発の方式がDockerに移行してしまったら、特定のベンダーである必要がなくなってしまいます。もちろんPCの需要はなくならないと思いますが、ニッチになってくる可能性はあります。

 オープンソースは、2020年は主流中の主流、あらゆるところで主流になるのではないかと思います。特にクラウドとモバイルですね。そのときにレッドハットは中心になっていたいと思います。

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