実は「標的サイトで何年も動いていた」--強力なスパイ機能の「Turla」にLinux版

Liam Tung (ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部

2014-12-10 11:50

 セキュリティ研究者らが、複雑な「Windows」マルウェアの亜種で、Linuxを標的としたものを発見した。Windows版は過去に大使館や軍事施設、製薬会社を狙っていたことで知られている。

 このたびのLinuxマルウェアの出現は、2014年に入ってからKasperskyやSymantecの研究者らが見つけた「Turla」ファミリに続くもの。Turlaは、政府機関の手によるものとして、ロシアが出所として疑われている。

 Kasperskyによると、Windows版Turlaは45カ国以上で膨大な数のコンピュータに感染した。悪意を持って作り込まれたPDFファイルを使うなどのソーシャルエンジニアリング技術や、水飲み場型攻撃を利用するのが特徴で、Windowsと「Adobe Reader」のゼロデイ脆弱性を少なくとも2件悪用していた。

 Kasperskyの研究員Kurt Baumgartner氏とCosting Raiu氏は新しく出現したLinux版のサンプルは「標的サイトのシステムをより幅広くサポート」すると述べる。2人はこれが「標的サイトで何年も動いていた」とみる。

 サンプルは、隠れてネットワーク通信したり、任意のコマンドを遠隔地から実行したり、リモートから管理したりする機能を持っていた。

 Windows版と同じようにハードコーディングされ、コマンド&コントロール(C&C)ドメインが一緒だったことから、Turlaの一連の攻撃との関連性が明るみになった。

 しかし、Linux版は「cd00r.c」として古くから広く知られる概念実証のためのバックドアを利用しているのが特徴だ。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    「デジタル・フォレンジック」から始まるセキュリティ災禍論--活用したいIT業界の防災マニュアル

  2. 運用管理

    「無線LANがつながらない」という問い合わせにAIで対応、トラブル解決の切り札とは

  3. 運用管理

    Oracle DatabaseのAzure移行時におけるポイント、移行前に確認しておきたい障害対策

  4. 運用管理

    Google Chrome ブラウザ がセキュリティを強化、ゼロトラスト移行で高まるブラウザの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    技術進化でさらに発展するデータサイエンス/アナリティクス、最新の6大トレンドを解説

ZDNET Japan クイックポール

注目している大規模言語モデル(LLM)を教えてください

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]