Microsoftは、同社のクラウド向け分散プログラミングモデル「Orleans」のオープンソース化を発表した。Orleansは、「Xbox360」用ゲームソフト「Halo 4」で使われていることでよく知られる。
MicrosoftのeXtreme Computing Group(XCG)で生み出されたプロジェクトであるOrleansは、この数年で磨きをかけられ、開発者に向けて時折デモが実施されていた。
Orleansは同社の「Halo 4」チームに対して提供されており、その事実をXCGが2013年に発表して以来、注目を集めていた。Orleansチームによると、同プログラミングモデルは「Halo:Reach」やHalo 4におけるバックエンドサービスの一部として3年近くMicrosoft内部での開発に使用されてきているという。
Microsoftは同社の開発者向け年次カンファレンス「Build 2014」で、Orleansのパブリックプレビュー版を披露するとともに、Halo 4チームが同ゲームをサポートするクラウドサービスを「Microsoft Azure」上に構築するうえで、Orleansをどのように用いたのかについて説明していた。
XCGは今回、「次の論理的な一歩」を踏み出し、2015年初めまでにMITライセンスの下でOrleansのコードをリリースする計画だ。
Orleansチームは最近の投稿で、「Build 2014における『Orleans』プロジェクトのパブリックプレビュー版のリリース以来、コミュニティーからの肯定的なフィードバックを多く受け取っている。われわれは寄せられてきた提案を受け入れるとともに、報告のあった複数の問題に9月のRefreshリリースで対応した」と記している。
また「次の論理的な一歩を踏み出し、多くの人々が望んでいること、すなわち『Orleans』のオープンソース化を決断した。既に準備作業を開始しており、2015年初めには準備を整えられるだろう」とも記している。
まもなくリリースされるコードは、スケーラビリティのある分散アプリケーションを容易に開発できるようにするための、一連の.NETライブラリとツールで構成されている。Microsoftによると、熟練プログラマーでなくてもアプリケーションを開発できるという。
Microsoftによると、Orleansは「grain(粒)という考え方に基づいて作り上げられた簡潔なプログラミングモデルを提供する。grainとは、プライベートな状態と共有される状態を有し、他のgrainにメッセージを送ることで排他的に通信しあい、クライアントからのリクエストに応答する計算処理単位。Orleansは、この種のシステムで一般的に使用される機能を提供するOrleansのランタイムと組み合わせることで、抽象化レベルを上げ、スケーラビリティのある適切なクラウドアプリケーションの構築を支援する」という。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。