RDBからNoSQLへの移行はこうして本格化する--Couchbase CEOが展望する2015年

Toby Wolpe (ZDNet UK) 翻訳校正: 川村インターナショナル

2014-12-24 06:00

 2015年、企業はNoSQLの場当たり的な採用をやめ、このテクノロジをリレーショナルデータベースに取って代わるものとして、本格的に採用を始める可能性がある。

 オープンソースドキュメント指向のNoSQLデータベース「Couchbase」が本番展開されたケースのうち、約4分の3は従来型リレーショナルシステムの代替だという。これを提供するCouchbase(本社:カリフォルニア州マウンテンビュー)の最高経営責任者(CEO)、Bob Wiederhold氏が語った。


CouchbaseのCEO、Bob Wiederhold氏
提供:Couchbase

 そうした採用のパターンはこれまで断片的だったが、2015年には、その状況が変わり始めるはずだ。

 「今のところ、比較的アプリケーションの数が少なく、企業ではアプリケーション単位で採用していることが多い」とWiederhold氏は述べている。2015年の後半までには、そうしたアプローチが、「戦略的な、『われわれはNoSQLを非常に大規模に導入する』というアプローチに変わる」という。

 NoSQLデータベースの採用には、重なり合う3つの段階があると見なせると、Wiederhold氏は述べている。同氏は以下のように語る。

 「第1段階は2008年頃に始まった。この時期に、商用NoSQL製品が初めて販売されるようになった。第1段階は草の根的な開発者による採用が中心だった。開発者が、ある週末に帰宅し、その時にはNoSQLのことを耳にしている。そこでフリーソフトウェアをダウンロードし、インストールして使ってみたら気に入ってしまい、それを勤め先に持ち込むようになった」

 「一般的に第1段階では、人々はそれを軽いアプリケーションに使っていた。社内向けの、非常に軽いアプリだ。当社やMongoDB、DataStaxには確かに、ミッションクリティカルなアプリケーションのためにその製品を早い段階から使っていた顧客が少しはいたが、そうした顧客は極めてまれな存在だった」

 第1段階は、開発のしやすさと開発環境の豊富さが全てだったと、Wiederhold氏は言う。拡張性やパフォーマンスのような問題は、それほど重視されなかった。関連するアプリケーションの大半が比較的小さく、大規模に運用したり、高いパフォーマンスを実現したりする必要がなかったからだ。

 同氏はさらにこう語る。「次に、第2段階が2013年初頭に始まった。第1段階が終わったというわけではない。どちらかと言えば、第1段階の上に第2段階が重なっているということだ。企業が徐々にミッションクリティカルかつビジネスクリティカルなアプリケーションの下でNoSQLを採用し始めたのが、この時期だ」

 「社内では草の根的開発者による採用が、目立たない形で数多く行われていたものの、企業側はこれを見ており、ある時点で『NoSQLは、機能の豊富さや信頼性、安定性が十分だから、初めにいくつかのミッションクリティカル、ビジネスクリティカルなアプリケーションで使ってみよう』ということになる」

 その時点で、多くの企業は本格的な戦略的評価を実施し始める。第1段階では行われなかったことだ。企業は、拡張性とパフォーマンスの耐久テストを行い、一番良いものを選んで導入する。

 Wiederhold氏は、「第1段階では、1万ドル、3万ドル、5万ドルという契約が多かったが、第2段階になると、数十万ドル規模の契約が多くなり、何百万ドルという契約も見られる。それは明らかに、こうしたミッションクリティカルなアプリケーションが既に大規模に運用されているからだ。そのため、企業は導入用に、数多くのノードやソフトウェアを購入する必要がある」と言う。

 成功の基準は、第2段階になると大きく変わる。第2段階では、世界中の顧客を対象とした、ミッションクリティカルなアプリケーションを扱うようになるため、拡張性、信頼性、パフォーマンスの重要性が高まるからだ。

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