日本マイクロソフトは1月15日、パブリッククラウドサービス「Microsoft Azure」と顧客のデータセンターや社内システムを専用線でつなぐ、閉域網接続サービス「ExpressRoute」を同日から開始すると発表した。今後3年間に1200社のユーザー獲得を目標としている。
このサービス基盤を日本マイクロソフトとともに提供するExpressRoute接続事業者は、IIJと、Equinixの日本法人であるエクイニクス・ジャパンの2社。
IIJでは、導入時に必要な機器の設置や運用、管理なども一括して提供する「フルマネージドサービス型」を主に大規模企業向けに提供。一方のエクイニクスは、顧客がパートナー企業が持つサービスや接続回線を自由に選択し、自社で設計、運用する「フレキシブルサービス型」を主に中小規模事業者や大規模企業の事業部向けに提供する。
それぞれの接続サービスの主な内容は以下の通り。
IIJとの閉域網接続サービス(フルマネージドサービス型)
(日本マイクロソフト提供)
- 適したユーザー:大規模企業、導入時に必要な機器の設置や設定から運用管理まで全て任たい、利用通信量を気にせず使いたい
- 利用可能帯域:10Mbps,100Mbps,200Mbps,500Mbps,1Gbps
- 利用料金:月額固定・使い放題(送受信とも月額固定)
- 設定作業:IIJもしくはIIJが連携する通信事業者やシステムインテグレーターが包括的なサービスを提供、顧客による設計・運用作業は不要
エクイニクスとの閉域網接続サービス(フレキシブルサービス型)
(日本マイクロソフト提供)
- 適したユーザー:中小企業事業者や大規模企業の事業部、セキュリティ要件を満たしながら自由にサービスを選びたい、グローバル展開したい、利用する分だけを支払いたい
- 利用可能帯域:200Mbps、500Mbps、1Gbps、10Gbps
- 利用料金:定額―定量を超えた分は従量課金(受信:月額固定、送信:従量課金)
- 設定作業:ユーザー自身で最適な通信事業者やシステムインテグレーターを選択、ユーザー自身もしくは通信事業者・システムインテグレーターが設計・運用
さらに、両接続事業者のパートナー企業の通信事業者やシステムインテグレーター計34社(2015年1月15日現在)からサービスを提供するため、日本全国で閉域網回線を含めたIT資産の冗長化を図りたい企業の要望に応えることもできる。
閉域網接続サービスを、フルマネージドサービス型とフレキシブルサービス型の2種類で提供するのは、国内で利用可能なグローバルなクラウドサービスとしてはAzureのExpressRouteが初めてという。なお、積水化学工業とマンパワーグループが、ExpressRouteの採用を表明している。