コマツ、建設現場向けクラウドを開始

NO BUDGET

2015-01-22 06:00

 コマツは1月20日、建設現場に変革をもたらすためのクラウド「スマートコンストラクション」を開始すると発表した。全国のコマツレンタル123店舗を通じて2月1日からサービスを開始する。建設現場におけるさまざまな情報をITでつなぎ、安全で生産性の高い現場を実現する。蓄積されたデータを社会インフラの整備や災害復旧にも役立てていく計画という。


スマートコンストラクションのサービス内容とそれを支える技術(コマツ提供)

 スマートコンストラクションでは、新たに開発したクラウドプラットフォーム「KomConnect」に、以下の6つのプロセスに関わる情報を入力する。安全でスマートな「未来の現場」の実現を目指す。また、新たに「スマートコンストラクションサポートセンター」を設立。さまざまな技術に精通した「スマートコンストラクションサポーター」が、利用者からのあらゆる問い合わせに迅速かつ丁寧に対応するとしている。

(1)現況の高精度測量

 無人ヘリや3Dレーザースキャナ、建設機械の運転席に搭載されたステレオカメラなどを活用することで、短時間で現況を正確に把握し、現場の高精度な3次元データを生成する。

(2)施工完成図面の3次元化

 顧客から2次元の施工完成図面を預かって3次元データに変換。3次元データの現況と施工完成形の差を視覚化することで、施工前に、施工する範囲、形、運土量などを正確に把握できる。

(3)変動要因の調査、解析

 工事を進める上で大きな変動要因となり得る土質や地下の埋設物について、事前に調査し解析。

(4)施工計画の作成

 顧客がコムコネクトに施工条件を入力すると、「施工計画シミュレーション機能」が条件ごとに異なる施工パターンを提案。また、施工開始後はリアルタイムの施工状況が施工計画シミュレーションに自動的に反映されるため、常に最適な施工計画を立案できる。

(5)高度に知能化された施工

 プロセス(2)で作成した3次元データは、コムコネクトを通じてICT建機に送信。ICT建機は作業機を自動で制御するため、経験を問わず誰もが熟練作業者のような精度で作業を行うことが可能。

(6)完工後の施工データ活用

 ICT建機で施工した情報はコムコネクトに蓄積される。また、蓄積されたデータは、施工後の整備・修繕や自然災害などを受けた地域の復旧作業にも役立てることが可能。

 同社では、中期経営計画「Together We Innovate GEMBA Worldwide」で「イノベーションによる成長戦略」を掲げ、2013年からICTブルドーザ「D61PXi」やICT油圧ショベル「PC200i」などのICT建機の市場導入を進めてきた。

 今回のスマートコンストラクションは、こうしたICT建機の開発に加え、建設現場が抱えるさまざまな課題を解決し、「未来の現場」を実現させていくためのソリューションを開発、提供していく新事業という位置づけ。これからの中核事業として育成すべく新たにスマートコンストラクション推進本部を設立し、少子高齢化が進む日本から、この新たなソリューションを提供していくとしている。

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