エンタープライズ向けデータセキュリティソリューションを提供するVormetricによると、米国企業の93%は内部からの脅威に対して無防備だという。この数年間でセキュリティを取り巻く状況は急速に変化しており、企業を無差別に攻撃するデータ侵害事件が大きな注目を集めている。ソニーの映画をめぐって貴重なデータがオンラインに大量に流出した事件から、米国の小売業者Targetから数百万件のクレジットカード記録が盗まれた事件まで、法人分野におけるサイバー攻撃の脅威は、悪化の一途をたどっている(あるいはますます顕在化している)。
しかし、今日の企業が対処しなければならないのは、外部からの脅威だけではない。Vormetricの委託によりHarris PollとOvumが2014年秋に実施した調査によると、偶然にせよ故意にせよ、内部の人間も企業のセキュリティ弱体化の大きな要因になっているという。
この脅威に関する年次報告書は、さまざまな国のIT企業の818人の意思決定者(米国の408人を含む)を対象に実施した調査結果を基に作成された。報告書では、企業が膨大な量のデータを扱い、新しいテクノロジを利用するようになった今、従来の、エンドポイントシステムとネットワーク周りのセキュリティによる防御策の積み重ねだけでは効果がないと指摘されている。
今回の調査によると、米国の回答者の93%は所属組織が内部からの脅威に対して「少し」またはそれよりも無防備であることを認め、59%は所属組織にとって最大の脅威は特権を持つユーザーだと考えている。さらに、44%は所属組織がこの1年間にデータ侵害の被害に遭った、またはコンプライアンス監査に引っかかったと述べ、34%はパートナーまたは競合他社で侵害があったために、所属組織が機密データを保護していると答えた。
機密データにとって最大のリスクになっているのはクラウド環境とデータベースのどちらか、という質問では、各グループの約半数がクラウド環境とデータベースの両方が最大のリスクになっていると答えたため、結論は出なかった。
データ侵害は今後も起こり続けるというのが現実だ。そのため企業は、リスクの要因と現在の脅威の状況、それに、サイバーセキュリティにどれだけ投資する必要があるのかについて、十分な情報を考慮した上で決定するためのボトムラインを評価する必要がある。データ侵害は株価を下げるだけでなく、評判やシステム、今後のビジネスに損害を及ぼし、消費者の信頼を落とすこともある。
企業の分野で内部の人間が大きな脅威と見なされているのなら、ポリシーを変更してそれに対処するのは企業の責任だ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。