アップル、「OS X」次回アップデートで「Thunderstrike」脆弱性を修正へ

Adrian Kingsley-Hughes (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部

2015-01-27 10:46

 次回の「OS X」ソフトウェアアップデートのベータ版に、「Thunderstrike」と名付けられた脆弱性のパッチが含まれていることが分かった。この脆弱性を悪用されると、検出と駆除が極めて難しいマルウェアを「Thunderbolt」ポート経由でMacにインストールされる可能性がある。

 この脆弱性は、ヘッジファンドTwo Sigma Investmentsの幹部であり、キャノン製デジタル一眼レフカメラ用のオープンソースプログラミング環境「Magic Lantern」の開発者でもある、Trammell Hudson氏によって発見された

 脆弱性の概要を紹介しているHudson氏のウェブサイトによると、数年前に自社がMacBookの導入を検討していた際、同氏は自身のリバースエンジニアリングのスキルを生かして、ルートキット問題に対処するファームウェアのパッチを開発できるかどうかを調査している最中に、Thunderstrikeの脆弱性を発見したという。

 Hudson氏は当初、Macを物理的に分解してマザーボード上のチップに直接アクセスし、ブートROMを書き換える手法を確立した。この手法を詳しく調査した同氏は、やがてThunderboltポート経由でシステム起動時に任意のコードが実行可能であることを発見した。そして最終的には、Apple製ギガビットEthernetアダプタであるThunderboltに細工を施すことで、攻撃が実行可能であることを実証した。

 この方法でインストールされたマルウェアの検出と駆除は極めて困難なため、Thunderstrikeの潜在的な危険性は高い。しかし、攻撃を実行するには標的のMacと物理的に接続する必要があるため、この脆弱性をリモートから悪用することはできない。

 情報筋によると、Appleが先日リリースしたOS X 10.10.2ベータ版に含まれているThunderstrikeのパッチは、ブートROMの改ざんを防止するだけでなく、ブートROMのダウングレードを禁止することで、将来的な脆弱性の再発も防止するという。なお、このアップデートでは、Googleの「Project Zero」が先日公表した3件の脆弱性も併せて修正される予定だ。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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