SDN導入意向は日米ともに二極化--ジュニパー調査

山田竜司 (編集部)

2015-03-06 12:53

 ジュニパーネットワークスは、日本国内のSDN(Software-Defined Networking)導入動向に関する調査結果を発表した。52%の企業がSDNの導入を予定していると回答した一方、48%はまだ導入する意向がないという結果が出た。

 この二極化ともとれる傾向は、同社が2014年7月に米国企業を対象に実施した別調査と同様の結果だったという。SDN導入予定の時期を日米で比較すると、日本は米国より導入スピードが遅いという。2015年内にSDNを導入する予定であると回答した米国企業が74%だったのに対し、日本企業は43%だった。

 今回日本企業を対象にした調査結果と、2014年に米国企業を対象にした調査結果との比較では、SDN導入の進捗度では、SDNの導入に対する準備が「すでに整っている」あるいは「ほぼ整っている」と回答した企業は、日米いずれも26%という結果が出た。SDNの導入に対する準備が「ある程度整っている」と回答した日本企業は22%、米国企業では38%だった。SDNを導入する準備が「今後も整うことはない」と回答した日本企業は24%だったのに対し、米国企業では5%だった。

 SDNの導入によるメリットとしては、日本全体では「ネットワーク運用の簡素化」が最も多くの回答を集め、日本は36%、米国は19%、次いで「ネットワークのパフォーマンスと効率性の改善」という項目が日本は19%、米国では26%、「運用コストの削減」が、日本は16%、米国は13%だった。

 SDN製品やサービスの選定時に最も重視する点では、日米いずれも「可用性と弾力性」であり、日本は41%、米国は30%が回答した。その他の上位項目では、日本は「拡張性」が25%、「オープン性」が15%、「サービスチェイニング」(仮想化環境でのネットワーク機能を選択的に利用するためのテクノロジ)が7%、米国では「アナリティクスレポーティング」が23%、「自動化と迅速なプロビジョニング」が19%、「オープン性」が12%という結果が出た。

 SDN導入における課題では、日本企業が回答したSDNの導入における課題としては、コスト(54%)が最も多く、その次にセキュリティ上の懸念(44%)、既存システムとの困難な統合(36%)、社内人材のスキル不足(18%)が挙がった。これらの課題点は米国でも同様にトップに挙げられており、日米で共通の課題を抱えていることが明らかになったという。

 調査は、日本では2014年12月、米国では2014年7月に各国のヘルスケア、教育、金融、行政の企業や組織各100人、計400人のIT意思決定者に対しウェブで実施した。


日米のSDN進捗度 (割合の合計は四捨五入の関係で100にならない可能性あり)

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