アプリ中心への転換が必要--仮想化環境専用ストレージのTintri、Hyper-Vに対応

三浦優子

2015-03-06 16:17

 仮想化環境専用ストレージを提供するティントリジャパンは3月5日、最新製品動向を発表する記者会見を開催した。Tintriでは1月に製品ラインアップを一新し、「Tintri VMstore800」シリーズを投入。今回、新たに「Hyper-V」に対応したことでVMware、Red Hatと3つの主要なハイパーバイザに対応したことになる。

 「VMware vSphere 6」をサポートするとともに、ストレージが仮想マシンを認識し、アプリケーション視点の自動化を実現する機能「VMware vSphere Virtual Volumes(VOLs)」などにいち早く対応している。

Tom Ellery氏
Tintri ワールドワイドセールス担当エグゼクティブバイスプレジデント Tom Ellery氏
河野通明氏
ティントリジャパン 職務執行者社長 河野通明氏

 Tintriのワールドワイドセールス担当エグゼクティブバイスプレジデントのTom Ellery氏は、「2015年のTintriは、カスタマーセントリック、ロードマップ、引き続きの成長、企業カルチャーの造成、ブランディングという5つをモットーに経営を進めていく。その中でブランディングは混雑しているストレージ業界の中でバーチャルボリュームが扱えるメーカーはTintri以外には見当たらない。バーチャルボリュームを扱えるストレージブランドとしてブランディングをしていく」と積極的に新しいテクノロジに対応していく姿勢をアピールした。

 日本法人は従業員を現行の12人から4~6月中に19人に増員し、名古屋と大阪に営業拠点を開設することも決定した。職務執行者社長の河野通明氏は、「日本法人開設当初に考えていたよりも1年前倒しで、名古屋と大阪の拠点開設が実現する見込みとなった。顧客の動向を見ても、日本市場でもサーバ仮想化の混在環境が始まり、導入後の課題も出てきている。その課題を解決できるのがTintri。われわれもメジャーな仮想化管理ツールにはきちんと対応した製品を提供していきたい」と話している。

“第3のストレージ”が必要

 Ellery氏は「データセンターは、仮想化とクラウドという二つの要因によって大きく変化せざるを得ない状況にある。Tintriは仮想化とクラウドにきちんと対応することで、顧客に新しい価値を提供している。この4年で2倍以上の成長を続けている」と同社のビジネスが好調であると説明した。実績として、ワールドワイドで30万の仮想マシン(VM)が稼働し、サポートについても本社がある米国をはじめ日本、中国、アイルランドと世界4拠点から提供、24時間サポートを実現している。

 仮想化でストレージの位置付けが大きく変わり、「全世界にさまざまな顧客がいるが、IT部門のスタッフの配置として、これからはストレージエキスパートを置きたくないという声があがっている」とEllery氏は指摘する。

Rex Walters氏
Tintri テクノロジ担当バイスプレジデント Rex Walters氏

 Tintri製品の技術的な現状について、米本社テクノロジ担当バイスプレジデントのRex Walters氏は「Tintri製品は、SANでもNASでもあるが、むしろ新しいカテゴリの“第3のストレージ”と認識してほしい」と話した。

 ここでいう第3のストレージとは、従来のストレージがインフラを中心に考えられていたものだったのに対し、「企業が本当に大切なのはアプリケーションとサービスが順調に利用できるのか否か。主要アプリケーションが仮想環境に対応してきた中で、ストレージは従来と全く異なってきている」とアプリケーションやサービスを中心にしたストレージへの転換が必要だと指摘する。

 物理データセンターの場合は、アプリケーションごとに用意されたストレージがワークロード単位に最適化されていたが、仮想サーバと従来型ストレージでは、集約されたI/Oに対して最適化するスタイルに変更。これが仮想アプリケーションストレージでは、集約されたI/Oを通して、さらにワークロード単位に仮想ストレージが最適化するスタイルとなっている。

 「管理はあくまでもアプリケーション目線で、アプリケーション側から直接ストレージを管理できる。従来型ストレージでは、管理や設定にかかる手間が大きく、負のスパイラルに陥りがちだった。アプリケーションから管理までできることで、管理の手間を少なくできるのがTintri」(Walters氏)

 Hyper-Vのサポートについては、「Hyper-VとvSphereの両方をTintriから見ることができる」と混在環境で利用する場合には必須だとアピールした。

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