今週の明言

ヴイエムウェア新社長が掲げた「One Cloud」の意味

松岡功

2015-03-13 13:18

 本連載「松岡功の『今週の明言』」では毎週、ICT業界のキーパーソンたちが記者会見やイベントなどで明言した言葉をいくつか取り上げ、その意味や背景などを解説している。

 今回は、ヴイエムウェアの代表取締役社長を務めるJon T. Robertson氏と、ノベルの代表取締役社長、河合哲也氏の発言を紹介する。

「“One Cloud, Any application, Any Device”を推進したい」
(ヴイエムウェア Jon T. Robertson 代表取締役社長)


ヴイエムウェアのJon T. Robertson 代表取締役社長

 ヴイエムウェアが先ごろ、副社長を務めていたJon T. Robertson氏が代表取締役社長に就任した人事を発表した。Robertson氏の冒頭の発言は、その発表会見で、今後の事業戦略のスローガンを掲げたものである。

 Robertson氏はカナダ出身だが、20年以上の日本での生活と実務経験があり、日本語も堪能。EMC、SAPの日本法人やアジア太平洋地域の事業所で営業などの管理職を務め、2007年1月にVMware日本法人であるヴイエムウェアに入社。2012年にはVMware ASEAN社長に就任し、シンガポールを拠点に同地域の事業を統括。2014年末に日本法人副社長として帰任した。

 今回の人事に伴って代表取締役会長に就任した前社長の三木泰雄氏は、「彼(Robertson氏)とは一緒に日本法人を育ててきた経緯があり、以前から私の後任社長になってもらいたいと考えていた。今回の人事で経営体制を一層強化し、私は新規事業に注力する形で、二人三脚でさらなる事業拡大に努めたい」と社長交代の理由を語った。

 会見内容の詳細については関連記事を参照いただくとして、ここではRobertson氏が今後の事業戦略として掲げた“One Cloud, Any application, Any Device”というスローガンに注目したい。

 Robertson氏によると、この言葉の意味は「お客様から見て、1つのクラウドで、あらゆるアプリケーションを、あらゆるデバイスから、利用できるようにする」というものだ。とりわけ、なぜ「One Cloud」なのか。同氏はこう説明した。

 「当社の調査によると、アプリケーションがパブリッククラウドと自社データセンターを含むオンプレミス環境に置かれている割合は、2014年でおよそ1対9。これが2020年には4対6になると予測している。割合の変化はあるものの、今後も共存する2つの環境をどうやって統合的にオペレーションしていくかが、企業ITシステムの大きな課題だ」

 「その課題を解決するために、2つの環境を1つのクラウドと捉えてはどうかと考えた。それが“One Cloud”の意味だ。その実現に向けて、当社がかねて提案しているのが“Software-Defined Data Center(SDDC)”であり、ハイブリッドクラウドソリューションである」

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