豪政府、G20首脳らの個人情報をサッカーのアジアカップ委員会関係者に誤送信

Chris Duckett (ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部

2015-03-31 13:52

 オーストラリアのブリスベンで現地時間2014年11月に開催されたG20サミットの直前に、Barack Obama米大統領やVladimir Putin露大統領を含む世界のリーダーの個人情報がメールで誤送信されていたことが明らかになった。

 しかし豪州の移民・国境警備省(DIBP:Department of Immigration and Border Protection)は、大統領や首相、その他の出席者に情報漏えいの事実を伝える必要はないと判断していた。

 同サミットに出席した各国首脳らのパスポート番号やビザ(査証)の詳細、誕生日といった情報が、DIBPの職員により、サッカーの選手権大会である「AFCアジアカップ2015」の大会組織委員会のメンバー1人に誤って送信されていた。

 The Guardianが情報公開法に基づき、DIBPから豪州連邦プライバシーコミッショナー事務局に宛てられた電子メールを入手したところ、この情報漏えいは、電子メールが誤送信されてから10分以内に報告されていたことが明らかになった。

 DIBPからのメールを受信した大会組織委員会のメンバーは、既にそのメールを削除しており、他に複製は存在しない旨をDIBPに伝えていた。

 また、この電子メールには「AFCアジアカップの大会組織委員会は、該当電子メールに対するアクセスや復元が可能となっている、あるいはそれがシステム上のどこかに保管されているとは考えていない」とも記されている。

 DIBPのビザ部門の責任者はアドバイスを至急求めている一方で、漏えいのリスクが極めて低いと考えられるため、各国のリーダーに伝える必要はないと判断しているとメールに書いている。

 同メールには「漏えいの拡大を防ぐためにとった上述の対処を考えた場合、該当情報が公のものとなる可能性は極めて低い」と記されている。

 また、住所や連絡先情報といった他の個人情報が含まれていなかったことで、漏えいによる潜在的なリスクは限定的だとも記されている。

 同メールでは今回の一件を「人的ミスによる特殊なケース」と分類している。

 最終的にこの情報漏えいが各国のリーダーに知らされたかどうかは明らかになっていない。

 当時の移民相だったScott Morrison氏と、現職のPeter Dutton氏のオフィスにコメントを求めているが、本稿執筆現在、回答は得られていない。

 DIBPが個人情報の漏えいにまつわる失態をおかしたのは今回が初めてではない。2014年2月にも、約9250人の難民申請者の情報を公開してしまっている。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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