エンバカデロ、既存システムをIoTに拡張する統合開発環境

山田竜司 (編集部)

2015-04-08 07:58

 エンバカデロ・テクノロジーズは4月7日、 WindowsやAndroid、iOS、ウェアラブルを含むマルチデバイス向けにアプリケーションを拡張できる統合開発環境ソフトウェア「RAD Studio XE8」を発表した。価格は21万6000円から。4月8日から販売を開始する。

 日本法人代表の藤井等氏は企業のモバイルデバイス導入について、社員にスマートフォンを支給するという情報端末獲得の段階から、従来のウェブシステムにモバイル端末からアクセスできる段階、さらに業務向けの専用アプリの構築などにより、業務そのものを改革する段階に変わりつつあると指摘。モバイルの重要性を説明する一方、エンジニアの95%が既存のWindows環境で開発や運用に取り組んでいる実態に触れ、マルチプラットフォームでの開発の意義を訴えた。


エンバカデロ・テクノロジーズ 日本法人代表の藤井等氏

 さらに藤井氏は 2015年末までにInternet of Things(IoT)がビジネスで成果を生むと考えているという開発者が49%に上るという調査結果を挙げた。IoTがビジネス向けに広がっており、関連する製品やサービスの構築では、デスクトップやモバイル、データベース、クラウド、基幹系など多様なシステムとつながることで価値を生み出す点を強調した。

 同社の製品戦略は「Windows開発者がこれまでの開発の延長でマルチデバイスへ展開可能なこと」「IoTやクラウド、既存システムなどを連携するソフトウェアの構築」の2点。

 新製品では、 64ビット版iOSでのアプリ開発に対応した。Apple App Storeに掲載するために必須となる64ビットと32ビットの両方に対応するユニバーサルアプリの構築をサポートする。

 また、1つのフォームから複数デバイス向けに最適化するレスポンシブなユーザーインターフェース(UI)の設計が可能であり、 設計段階でデスクトップやタブレット、スマートフォン向けのプレビューを表示できる。すべてのデバイスでアプリを実行して確認することなく、 UI設計の問題点を見つけられるため、 マルチデバイス向け開発が大幅に効率化されるという。

 クラウドとの接続も強化している。近距離無線通信技術「Bluetooth Classic」や「iBeacon」「AltBeacon」との近接検知機能をプロトコルを理解していなくてもドラッグ&ドロップで追加できる「コンポーネント」の形式でサポートする。コンポーネントには、アプリの分析機能を追加するものも提供。マルチデバイスでのアプリの利用状況を把握できるようにした。

 デモンストレーションでは、各種デバイスでそれぞれどのようにUIが展開されるかを1つの画面で確認できる機能や、コンポーネントのドラッグ&ドロップで各種機能をアプリに追加する様子を紹介し、アプリケーション開発が容易になることを強調した。

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