ドリーム・アーツ、企業向けSNSを提供--現場の声を経営に

三浦優子

2015-04-20 07:30

 ドリーム・アーツは、従来あまり顕在化してこなかった企業内の声を吸い上げ、経営変革に繋げるためのソフトウェア「知話輪(ちわわ)」を5月1日から提供する。

 代表取締役の山本孝昭氏は、「これまで現場レポートとして提出されたものからは抜け落ちている、主観が入った声を共有し、経営に生かしていく仕組み。外資系企業が提供する企業向けSNSと近いコンセプトであるが、業務に特化した仕組みとして提供すること、細かい権限設定が行える点が異なる。3年後の新製品開発に携わるメンバー間だけで実施する情報共有など、社内の極秘プロジェクトとして進むような高いセキュリティレベルが必要な場合でも利用できる」という。すでにプロトタイプ段階からユーザーに提供し、好評を得ているとのこと。


株式会社ドリーム・アーツ 代表取締役 山本孝昭氏

 システムはAmazon Web Servicesの東京リージョンを利用し、顧客ごとにシングルテナントを利用。人事システムと連携したアクセスコントロール、監査証跡ログを備える。機能としてはソーシャル機能、反響や賛同、散布図、マップビューといった可視化機能、ナレッジ集約やテーマ結合、分割を行うお世話役支援、他のシステムとの連携など。

 導入にあたっては、業務に特化したものとするために、3カ月のパイロットプロジェクト期間を設ける。このパイロット期間は、利用者は上限100人までで、カウンセリング費用なども含めて980万円。導入にあたっては導入費用、月額費用が必要となる。

 知話輪は「われわれが付き合いのある企業のトップから、現場の感覚をもっとダイレクトに取り入れる方法はないか、という声が上がってきたことがきっかけに構想が始まった。最新のIT環境使って主観情報を組織的に活用することを狙った。例えば、メーカーの地方の販売店で、顧客から言われた商品のこの部分が好き、この部分が嫌いといった声を投稿し、現場と経営サイドの距離を縮める」(山本氏)ソフトウェアだ。

 サービスの名称である知話輪は、人と直接対話して生まれる人の感覚、知性や環境といった意識をつなげるという意図があるという。

 業務特化していることから、既存の外部システムとの連携用API、外部システムから連携できるパーツ、仕組みを用意する。

 社内の意識共有を可視化するために、ソーシャルのいいね、スタンプなど使いやすいUI、反響が大きさに合わせたグラフ化、欲しい情報を探すための検索機能を持つ。

 セキュリティについては、基本的にはAWSを活用し、通信はSSL暗号化して利用するが、要望に応じてプライベートクラウド化、AWSのVPCサービスを利用したVPN接続を利用することもできる。社内人事システムと連携したアクセスコントロール機能、監査証跡ログなどエンタープライズセキュリティ機能を装備している。

 導入の際には、3カ月間のパイロットフェーズを設け、現場に同行して調査を行い、プロトタイプをブラッシュアップし、業務に適したシステムとする。また、この時点で本導入の際のプランニングを行う。


ドリーム・アーツ ICO推進本部 副本部長 稲葉智成氏

 「想定活用シーンとしては、自動車メーカーが販促施策を行った際、企画・開発部門と営業本部が自動車販売の現場となる、ディーラーを巻き込んでどの施策に効果があったのか、逆にどの施策は効果がなかったのかといった声をあげてもらう。その声に共感が多かったもの、少なかったものを可視化していくことで、従来のコミュニケーションルートとは異なる、現場の反響を知る仕組みとして活用できるのではないか」(ドリーム・アーツ ICO推進本部 副本部長 稲葉智成氏)

 従来のコミュニケーションルートとは異なる組織、役職、部門、職種の壁を越えた共感の連携ができることが特徴となっている。

 本格導入後の価格は、本導入プロジェクト価格についてはパイロットプロジェクト時点での見積もりについて決定し、それ以外に環境セットアップ費用100万円、クラウドDatabase「Collieプラットフォーム」の費用2000万円、月額費用としてアカウント利用料1000円、基本料100万円となっている。これ以外のプライベートクラウド化、業務特化ビューの提供、ヘルプデスクなどはオプションとして個別見積もりで対応する。


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