8割がIoT時代のセキュリティを懸念--トレンドマイクロ調査

NO BUDGET

2015-04-28 06:30

 トレンドマイクロは4月27日、IoT時代のセキュリティ、プライバシーに関する意識についてウェブアンケート調査についての結果を公表した。調査は個人ユーザー1903人(米744人、日本595人、欧州16か国564人)を対象として、2014年12月に実施したもの。

 それによると、全ての個人ユーザーが何らかのスマートデバイスを利用中あるいは利用予定と回答する一方で、その8割がIoT時代のセキュリティを懸念していることが分かった。同社では、「IoT時代にはセキュリティの懸念を払しょくすることが重要」としている。

 結果の概要は以下の通り。

全個人ユーザーがスマートデバイスを利用中または予定するも、8割がIoT時代のセキュリティを懸念

 調査回答者の全員が、「スマートフォン、タブレット」「スマートテレビ」「スマートキッチン家電」「スマート電力メーター」「スマート温度調節器(エアコン)」「装着型フィットネスデバイス」「グーグルグラス」「スマートセキュリティシステム」のいずれかを利用中/利用予定と回答した。スマートフォン、タブレットを除いても、95%(米90%、日本97%、欧州98%)が利用中/予定としており、今後、社会においてIoTの普及が加速することが予測される。


IoT における自身のセキュリティ/プライバシーに関して、どの程度懸念がありますか?
単一回答[n=1903]

スマートデバイスの利用意向 [n=1,903]

 一方、「非常に懸念がある」と「懸念がある」と回答した割合を合計すると、全個人ユーザーの8割(80%)がIoT時代のセキュリティを懸念していることが明らかになった。なお、国、地域別では、米75%、欧州82%と比較して日本83%が最も高い。


スマートデバイスを現在利用中、あるいは利用を予定していますか?
※ 各々のデバイスの認知度で「よく知っている」もしくは「知っている」を選択した回答者への質問
※ 図3は、「図2:スマートデバイスの利用意向」の内訳。

約半数が過去5年でプライバシーや個人情報漏洩の懸念が増加

 過去5年間でプライバシーや個人情報の安全性に関してより懸念を抱くようになったかと尋ねたところ、個人ユーザーの約半数(47%)が、懸念が増加したと回答している。


過去 5 年間でプライバシーや個人情報の安全性に関してより懸念を抱くようになりましたか?
単一回答[n=1903]

 懸念が増加したとする回答者に対し、その理由を複数回答で質問した結果、「モバイルデバイスの利用(63%)」「情報漏洩の被害を受けた(61%)」「ソーシャルメディアの利用(53%)」と、モバイルデバイスやSNSの利用、実際の被害経験が原因の多くを占めることが分かった。

 なお、国、地域別にみると、日本は「モバイルデバイスの利用(69%)」や「ソーシャルメディアの利用(63%)」が、米国は「情報漏洩の被害を受けた(73%)」が、欧州では「政府による監視に対する懸念(39%)」が、それぞれ他国と比べ多くの回答を集めている。それぞれの国や地域で発生したインシデントや、法規制などの傾向が、こうした違いの背景にあると推測される。


プライバシーや個人情報の安全性に関して、より懸念を抱くようになった理由はなんですか?
複数回答[n=885]
※プライバシーや個人情報の安全性に関して、より懸念を抱くようになった方に対しての質問。

自身の個人情報の価値は平均1965円

 自身の個人情報に関して提供の可否を質問したところ、回答者の半数以上(56%)が、相手が信頼できる会社ならば金銭と交換に自分の個人情報を提供すると回答した。


相手が信頼できる会社ならば、金銭と交換に自分の個人情報を提供することに同意しますか?
単一回答[n=1903] 

 また、金銭と交換するに当たっての自身の個人情報の価値は平均1965円となった。最も価値が高いと回答者が評価した情報は「ID、パスワード」で、平均7584円。

 2016年から日本国内で本格導入がはじまる「マイナンバー制度」に類似する米国社会保障番号の価値については、米国の個人ユーザーの回答を平均すると平均5568円(1ドル=100円で算出)となった。


個人情報を入手するために信頼できる会社はいくら支払うべきだと思いますか?
各情報の種類ごとに最低額をひとつお選びください。
単一回答[n=1078]
数字は全体の平均価格を示しています。
※ 健康保険などの社会保障番号は「米国の個人ユーザ」にのみ質問。1ドル=100円で算出。

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