「Debian 8 Jessie」がリリース--主な変更点は?

Steven J. Vaughan-Nichols (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部

2015-05-01 12:05

 米国時間2015年4月25日に「Debian」の最新バージョンである「Debian 8」がリリースされた。Debianがもっとも重要なLinuxディストリビューションであることに異を唱える人は少ない。ここから、「Mint」や「Ubuntu」などの重要なディストリビューションが生まれている。

 最新リリースであるDebian 8(コードネーム「Jessie」)では、再びほとんどのLinuxよりも多くのハードウェアがサポートされることになった。例えば、Debian 8はIBM System Z、ARM、PowerPC、MIPSなどでも動く。

 Debianは1993年のIan Murdock氏の取り組みまで歴史をさかのぼることのできる古いディストリビューションだが、今回のリリースで装いが一新された。そのことがもっとも現れているのが、大きな議論を巻き起こしたsystemd(system and service manager)への移行だ。

 筆者の経験では、Debian 8のsystemdは問題なく動いているが、この論争を機に「Veteran Unix Admins」(VUA)と名乗るDebian開発者のグループが、Debianから新たに「Devuan」と呼ばれるディストリビューションをフォークしている。これは、Debian 8ではsystemdがデフォルトのinitシステムになったことと、ソフトウェアパッケージがsystemdに依存することを許したことが理由だ。

 また、DebianではUEFIサポートが大きく改善された。これは、DebianをSecure Bootに対応した「Windows 8.x」を動かしているPCに、Debianをインストールするのが簡単になることを意味している。

 今回のDebianでは、Debianパッケージで提供されている数多くのプログラムやソースコードを詳しく調べるための閲覧サービスが提供された。さらに、Debianのソースコードを検索するためのエンジンである「Debian Code Search」も利用できる。

 Debianには最新のプログラムも幅広く含まれているが、最先端のソフトウェアを求めている人向けのディストリビューションとは言えない。その目的には、Fedoraを利用するのがいいだろう。

 DebianはLinux初心者向けでもない。Linuxに詳しくない人には、UbuntuやMintをお勧めする。どちらもDebianをベースとしているが、ユーザーにやさしいディストリビューションとなっている。パワーユーザーや、安定性が高いOSを求めており、社内にDebianを管理できるだけのスキルを持った人材がいる企業ならば、Jessieに時間を割く価値はあるだろう。


この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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